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SNSやコンテンツにまつわる問題提起のための表現

イラストレーションコース 清水 菜月

サイズ:1200px × 2400px

近年、SNSが人々にとって当たり前の日常となり、イラストや漫画などのコンテンツも手軽に楽しめる世の中になっています。
しかしこれらコンテンツが豊かになる一方、著作権に関する問題が増え、さらには海賊版サイトなどのクリエイターの活動を著しく阻害する問題が深刻化しています。
著作物の無断転載・無断加工・無断流用は、人々の著作権に対する曖昧な認識や甘えた意識が原因の一部であると考えられています。
例えば、「みんながやっているから大丈夫」「バレなければ問題ない」などといった考えです。

コンテンツが、今後も人々を楽しませるものであり続けるためには、こうした認識・意識を変えていく必要があります。
本制作では、そういった意識を変えるきっかけや、著作権を深く学ぶ入り口を作ることを目指しています。

この作品では、「作品を悪用する人々」を蛇として表現しました。インターネット上で起こる問題であり犯人の特定が難しく、被害者が泣き寝入りしてしまうパターンがほとんどであることや、悪意なく著作権侵害を行ってしまう人が多いことなど、著作権に関する問題は非常に複雑です。そこから、「複雑に絡み合った問題」というイメージを蛇に落とし込みました。
画面上部の無数の蛇の絡み合いから、一匹の蛇がゆったりと下に頭を垂らし、人物(クリエイター)と同じ画面を覗いています。人物が苦悩の表情を浮かべているのに対し、蛇は目を見開き、人物と画面の間に割り込むようにして画面をじっと見つめています。
人物と蛇の瞳には、どちらも画面のスクリーンが反射していますが、その目的や心情は全くの別物です。
その他にも背景や細かい箇所に、著作権侵害を想起させるモチーフを入れています。
また、自身の表現の強みとしている筆致や、配色に関しても注目していただけると嬉しいです。

この作品では、クリエイターはこれまでもこれからも著作権侵害に苦しめられるという、いわゆるバッドエンドを示しています。
この作品によって、コンテンツにまつわる課題に対して興味を持ってもらえること、
この作品が興味を持つきっかけになることを願っています。

清水 菜月

イラストレーションコース

私はこれまで、自己表現を目的とした個人の制作を多く行ってきました。
自身の表現の中でも、特に強みとしているのが「筆致」です。
今回の卒業制作では、その筆致と、私たちの身近な問題を掛け合わせた作品を制作しました。

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