Giving Hugs
ケアギバーのための演劇コミュニケーションデザイン
(大学院)空間デザイン分野 カーク辻 雅子 (Masako Kirk Tsuji)
現在の高齢化社会は個の尊重や暮らしの多様化に伴う介護も複雑化し始めており、介護とは何かを新たに考え直す段階にある。演劇特性を活かし、ケアギバーと介護現場の心的負担を軽減する行動変容を目的としている。
私たちの介護社会では高齢化率は上昇の一途を辿っており、家族の誰かが要介護者になることが近い将来より一層身近な課題となる。支える立場にあるケアギバー(介護者)の苦労は社会で理解はされているが、心労によるストレスについては対処療法的アプローチに留まり、根本解決に至っていない。
現在の社会は個の尊重・価値観や暮らしの多様化に伴い、介護形態も一層複雑化し始めており、介護とは何かを新たに考え直す段階にある。本テーマではケアギバーの心労を再認識し、介護行為には演劇特性「非認知スキル」を発揮できると考察した。調査は先行研究をヒントに、セミナー企画と研修参加を通じ介護の現場を把握した。研究後半はシニアホームでのテスト実施にて検証し、相互作用による心的充足の様子を確認した。介護のように人が誰かに深く関わる時に必要なことは、マニュアル通りのケアではなく、思いやり・愛情を持って接することにある。苦難多き介護の動的負担軽減には限界があるが、心の受け止め方・在り方は多くの可能性がある。
調査では、介護にはケアギバー自身のアイデンティティーに基づく行為もあり、介護意識から離れ自然な流れで発する言動に、要介護者にケアとして効いている状況があった。このアイデンティティー(something)は人により様々であるが、小さな心的負担で和やかな介護ケアにつながっている。
「介」の漢字の形の成り立ちからヒントを得て、介護テーマタイトルを「Giving Hugs」とした。プロジェクト「介+something」を企画し、ケアギバー自身が多様性あるアイデンティティーと共に、前向きなケアによる介護環境へ変容することを期待している。
ロゴ:2025年10月30日筆者作成 Illustrator2026 使用
ロゴ(※1)を照明(※2)で表現。 ※1:2025年10月30日筆者作成・ ※2:各パース2025年12月7日筆者作成 vectorworks&Photoshop加工
照明による演出の変化イメージ1。 2025年12月7日筆者作成 Graphysoft ARCHCAD 25 ・Photoshop2026加工
照明による演出の変化イメージ2。 2025年12月7日筆者作成 Graphysoft ARCHCAD 25 ・Photoshop2026加工
照明による演出の変化イメージ3。 2025年12月7日筆者作成 Graphysoft ARCHCAD 25 ・Photoshop2026加工
サムネイル画像使用:特別養護老人ホーム ひよどりホーム 1階面会ロビー 2025年11月19日 11:00〜11:30 筆者撮影
研究調査の中で94歳のウクレレ師匠との出会いにより、『愉介』な時間でサプライズを得た。(2025年11月19日動画撮影・パース画像:筆者作成|動画編集協力:谷口康輔)
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カーク辻 雅子 Masako Kirk Tsuji
(大学院)空間デザイン分野
兵庫県とカナダ・バンクーバーにて研究活動中です。
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