Cracked the Code
(大学院)写真・映像領域 吉田 篤司
デジタル/インクジェットプリント
メディアは人間の感覚を拡張させることで、生活環境を変えただけでなく、人間の知覚までも変化を及ぼした。その変化は人間の生理的感覚を超えるまで拡張したことにより、人間は見える範囲が狭まり、見えないものが多くなった。
作品《Cracked the Code》はメディアのひとつである道路を高速化した高速道路を題材とし、それを支えている高架下の壁面にある特徴的な表面の断片を、多重露光にて寄せ集め表象としている。断片は大小の大きさを統一せず、壁面の角度もバラバラにして寄せ集め、ひとつの高架下をひとつの表象という形でまとめている。多重露光はその場にてデジタルカメラに任せて行うことで、撮影者の意図よりカメラのプログラム比重が大きくなる可能性のある状態とした。その表象は、自分が高架下にいて感じる世界と違う世界が、ブラックボックスにて合成形成される。人間の感覚から拡張された装置の行為が、人の順応範囲から少しずつずれ始め、現前の認知では捉えられないところとなる。その表象に違和感を感じることが、見えないものについての問題を考える一助となる。
吉田 篤司
(大学院)写真・映像領域
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