Planet Between Light and Darkness
(大学院)写真・映像領域 小林 里奈 (Rina Valentine)
《Planet Between Light and Darkness》は、光が生み出す現象を撮影したシリーズである。屈折や透過、反射、揺らぎといった光学的作用のみを画面に定着させ、光を媒介する物体の存在は意図的に排除している。その結果、写真には光が形づくる抽象的な現象の痕跡のみが残される。
媒介物を取り除くことで画面内の空間スケールは失われ、鑑賞者は見ている現象がミクロなのかマクロなのかを同定できない。このスケールの不確定性は、知覚をミクロとマクロのあいだへと往還させる。断片的な光学現象からイメージを想起し、修正し、再び仮定する――その繰り返しのなかで、像は固定されることなく揺れ続ける。本作は、そうした表象の往還運動そのものを体験させる試みである。
現代の視覚環境において、私たちは均質な液晶光に長時間さらされている。光は情報伝達の媒体として機能する一方で、その物理的変化や多様な表情に身体的に触れる機会は減少している。本作は、光の複雑さと美しさを呼び起こし、揺れ続けるイメージを「視る」行為を問い直すものである。
小林 里奈 Rina Valentine
(大学院)写真・映像領域
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