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やがて来る

(大学院)写真・映像領域 楊 冰冰 (Bingbing Yang)

デジタル, インクジェットプリント

出身の、中国広東省深圳市の東部に位置する大鵬新区・葵涌地区を舞台に、急速な都市化の過程で生み出されながらも、使用されることなく取り残された建築群を主題とする写真シリーズである。

撮影地である深圳は、「一夜城」とも称され、改革開放以来の「深圳速度」と呼ばれる驚異的な経済成長と物理的変容を遂げてきた都市である。しかし、その未来へ向かう奔流の背後では、計画の変更、資本の衝動、産業構造の転換など、多様な要因により、多くの建築物が中途半端な状態で放棄され、やがて忘れ去られる運命を辿ってきた。特に大鵬新区は、深圳市の「生態保全区」として位置づけられ、大規模な開発が制限される一方で、過去のリゾート開発計画や産業集積の試みが頓挫し、開発の熱狂が残したコンクリートの残骸が、急速に回復する自然環境の中に点在する特異な景観を形成している。

これらの廃棄空間を単なる「開発の失敗の痕跡」として捉えるのではなく、「都市と自然における中間地帯」という新たな概念で、衰退の美学ではなく、生成と消滅の狭間で静かに息づく複雑な現実である。葵涌の廃棄建築群は、開発主義の矛盾を露呈する「傷痕」であると同時に、ポスト開発時代の新たな生態観と文化的実践を育む「実験場」として、また、高速成長社会における記憶と忘却の狭間を映し出す「メディア」として、多層的な意義を有している。これらの空間を通じて、都市の光輝く正面だけではなく、その影に埋もれた「中間地帯」に光を当てることである。

楊 冰冰 Bingbing Yang

(大学院)写真・映像領域

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楊 冰冰 / Bingbing Yang
中国・深圳

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