「夢」平郡島の人たち
(大学院)写真・映像領域 岡町 隆昌
デジタル写真
島の人たちとの対話とポートレート写真
対話において一人一人の「夢」を語っていただいた
作品展示は、額装にてA2又はA3、インクジェットプリント
山口県柳井市の離島平郡島は、諸説あるが鎌倉時代あたりから武士や水軍が住み着き、独自の文化や歴史を築いてきた。しかし、終戦直後約3,800名いた島の人口は、過疎化と高齢化で現在は、約200名の限界集落となった。
私は、この島に流れている時間や文化、人柄に魅力を感じ撮影を続けてきた。また、今、この島を写真・映像に残しておくことは瀬戸内のおける貴重な文化遺産だと考えた。
平郡島に住んでいる人たちは確かに高齢化しているが、私が島の人たちと対話してみると、皆さんが「夢」を持って生き生きと生活している。この点も分析してみた。
都会のように、モノがあふれすぎると必要なモノが何かわからなくなり不要なモノまで買ってしまう。島には必要最低限のモノしかないので無駄なモノは買わない。野菜は畑で作るし魚は海で釣る。どちらも沢山獲れれば近所に配るので食べることには困らない。スーパーやコンビニが無くても、島の人たちは、物々交換社会が成立しているのでさほど生活に不便は感じていない。
困りごとがあれば、島の人たちみんなで解決していく。こんな人間らしいコミュニティが出来ている。これは都市生活において消滅してしまった「コモン」が今でも残っている証だ。
取材してみると多くの島の人たちはモノがなくても不便でも、人間関係ができていて自然豊かなこの島で長生きしたいとの回答が返ってくる。これこそ、島の人たちが平郡島の「コモン」の良さを実感しているといえる。
日本における都市の豊かさは地方の犠牲によって成り立っているといえるかもしれない。これが本当の豊かさなのだろうか。平郡島を取材してみて気づくことは、モノや情報にあふれていなくても豊かな生活が「コモン」として成り立っている。
平郡島の人たちは、このような島の歴史・文化、過疎化でも都市にない生活の豊かさ、ゆっくりと流れる「しまじかん」があるからこそ、いつまでも「夢」をもって生きていけるのだ。
私が撮影してきた写真ジャンルは報道写真です。かつては、報道写真といっても祭りやイベントを撮影し、写真クラブや地域のコンテストに応募して賞をもらうのを楽しみとしていました。
しかし、最近は、テーマを決めての作品制作をする楽しみを覚えてきました。今回の修了制作作品の「夢 平郡島の人たち」は、限界集落の離島、平郡島の人たちが「夢」をもって明るく楽しく生活している様子を世間に知ってもらいたいと思い発表しまた。
コンビニも娯楽施設も何もない島だが、島の人たちは助け合いながら楽しく生活している。
報道写真をしていて世間の人たちが知らない事実を発表することは、報道写真家にとって重要なことです。特に大手メディアが取り上げない事案や事実は、私のような個人の写真家の役目だと考えています。
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