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文芸コース 尾堂 由実

 子どもの頃に感じていた世界の輝き。自分と世界に対する自信。それらが、大人になって幻滅と共に潰えていく感覚。そういったものを描いてみたいと思い、この作品を書き始めました。
 実際に書いてみると当初思い描いたようにはいかず、展開がつまらないと感じて途方にくれることもありました。そんな中、担当の先生方のアドバイスを受けることで突破口が開け、自分でも想定していなかった要素が加わったように感じます。とても貴重な経験でした。
 この作品は、大人になった主人公が子ども時代を回想するという構成になっています。子ども時代の「空想」が、ある不思議な出会いによって「空想」の境目を超えていき、やがて主人公はその場所に再び戻ることになります。「過去」と「現在」がコントラストをなしながら、最終的に一つに結びついていくようなイメージを目指しました。
 空想や不思議な出来事を描いた物語には、そういった形でしか表現できない「何か」があるのではないかと思います。その「何か」を込められたかはわかりませんが、無事に最後まで一つの物語を書ききることができた感慨は、私にとって忘れられないものとなりました。


千葉県

夏にかえる

尾堂 由実

文芸コース

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