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文芸コース 丸尾浩司

 小説を書きながら、私にとって「書く」ということがどういうことかを考えていました。「リトゥン」というタイトルは英語の written に由来し、すべては書かれたものに過ぎないのかもしれない、という認識を表現しています。
 いまの私にとって書くこととは、考えたことを書いた後、自分自身でそれを読み、またそれについて書く、ということの繰り返しです。これは、非常に閉じられた行為です。その一方で、私には外に向けて何かを伝えたいという希望があります。私の中にある、世界を内に閉じ込めようとする力と、外に開いてゆこうととする力の対立を物語として表現しようとしました。
 大学に入学した頃は何を書けばよいかもわからず、たった10枚の小説を書くのにも苦労し、先生からも厳しいご指導をいただきました。しかし、最終的に卒業研究の規定枚数である80枚では物足りないと思えるほどになったのは、私の人生の中で大きな収穫です。
 これまでにないほどに小説について深く考えた2年間でしたが、ようやく表現の入り口に立てたばかりです。これからも、読むことと書くことを通じて生きることの価値を高めてゆきたいと思います。


大阪府

リトゥン

丸尾浩司

文芸コース

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