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芸術学コース 井上 あさみ【コース奨励賞】

 古布名画、熊谷守一やピカソの名作を古布で表現したものです。守一のシンプルで単純明快な作品、ピカソのキュビズムの作品が、使い古し、洗いざらした古布で、美しく蘇ります。元の絵の線を忠実に模写し、限られた布の中から絵の雰囲気に少しでも近づくように選び抜きます。形のままに截ち切った布はアップリケステッチで止めて、糊は使いません。少しでもおかしいところ、納得のいかないところがあれば、迷わずほどいてやり直します。使い込まれた古布は表情があって、画家の絵の具と呼応します。
 熊谷守一は身近な小さな生き物を徹底的に観察して、これでなければならぬという厳しい線を生み出します。しかしその目は思いやりに溢れていて、暖かく生き生きとして愛のある絵になるのです。その愛のかたちを再現したいと、ひと針ひと針縫い進めると、実に多くの事が見えてきます。画家と私は同じ場所に立って同じものを見ているような気持ちになります。そこには思いがけない発見があり、なるほどという気づきがあります。
 出来上がって部屋に飾ると不思議な空間が生まれます。穏やかで明るく、豊かで幸せな空気が流れてくるのです。古布名画の楽しみです。


岡山県

古布名画と熊谷守一

井上 あさみ【コース奨励賞】

芸術学コース

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