歴史遺産コース 川瀬 康義【同窓会賞】
本論文は、大正中期に麻布永坂に建てられた三菱の大番頭豊川良平氏の邸宅の歴史を整理し、その意義について論じたものです。この建物は大規模な和洋館並列型住宅でしたが、所有者が変わっても大切に受け継がれ、和館の一部は昭和初期と平成期の二度の移築を経て現存しています。
本研究では、創建期の建造物としての、また個人邸宅の移築としての位置づけを踏まえた上で、大正から昭和において住宅として継承・移築された経緯やその様相に焦点を当てました。
平成期、世田谷区教育委員会事務局が行った或る住宅の調査により、それが旧豊川邸から移築された建物であることが確認されました。この建物がどのように伝えられてきたのかを深く知りたいと思い、本テーマに取り組みました。
建物は、繋げていこうという思いがあれば、どんなに古い建物でも新たな命が吹き込まれるのではないか。本研究では、そのような想いを込めて、流転する一個人邸宅の歴史を顧みました。
注力したポイントしては、史資料から読み解かれる情報を点から線、そして面で見ていくこと、そして、その全体像や意味が読み手にわかりやすく伝わるように、図表等に整理し記録したことです。
「旧豊川邸」和館の移築経緯とその意義ー近代和洋館並列型住宅の一事例ー
東京都
川瀬 康義【同窓会賞】
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