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歴史遺産コース 山田 聡江

 歴史遺産の宝庫である奈良の中心に位置する国立の奈良女子大学は、奈良奉行所跡にあります。奈良女子高等師範学校創立から113周年を迎え、今日では重要文化財である記念館を背景に鹿が歩く姿もまた愛らしく、美しい風景です。
 明治維新を経た奈良奉行所跡地の変遷を明らかにし、近代における奈良の都市構想や運営の在り方を考えていくことが当研究の主軸となり、重要な論点は「奈良奉行所の敷地の転用の確認」、「美術学校の誘致」、「女子高等師範学校の誘致」の三点です。
 絵図12枚を順に調べ、学校史・議会・警察・雑誌・新聞・公文書の記録が繋がり、官立学校を熱心に誘致した経緯が次々と明らかになっていくことに感動しました。美術学校設置は叶わぬも、女子師範学校候補地となり、京都131対、奈良132で奈良女子師範学校の設立で可決し、それを伝えた各新聞記事をまるでその時代に生きているかのように身近に感じて読みました。この土地が監獄署用地になった時は聖武天皇陵が近く不敬だと否決され ます。
 この土地の変遷「場所の記憶」を辿ったことで、奈良の人々が神武基業の地であることを誇りに、美術思想に富み、真摯に努力した姿を知ることができたのです。


奈良奉行所から奈良女子大学へ―場所の記憶―
大阪府

山田 聡江

歴史遺産コース

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