芸術学コース 山口 明子
書家の井上有一は私の住む地域のゆかりの芸術家である。戦後日本の現代書を改革した人物だとされるが、残念ながらあまり地元ではその功績は理解されていない。どうすれば井上有一の書が革新的であったのか、他と違うすばらしさがあることを伝えられるのか、自分の中で理解を深めて説明できるようになりたいと思い、入学時から井上有一に関することを卒論で書きたいと考えていた。では井上について何を研究テーマとするかというところで、作品の文字や言葉には仏教信仰に基づくものが多く見られることから、そこに着目し主題と形象・形式に見られる仏教信仰の関わりについて考察した。調べるうちに井上が書に込めた覚悟や意図に気がつき、鑑賞者はそれを理解するための知識があれば、漢字の意味という表面的なところから、禅の不立文字というさらなる深い部分の扉を開くことができるようになるが、自分自身にもっと様々な知識が必要であると痛感することとなった。この卒論は一つの通過点として、今後も井上が作品に込めた思いを探し続けていきたい。
神奈川県
井上有一の書表現-主題・形象に見る仏教信仰との関わり
山口 明子
芸術学コース
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