芸術学コース 藤瀬 貴久
「見ること」と「比べること」を「続けた」研究となりました。
中国花鳥画の様式に則った解釈がされる《雪中雄鶏図》に、若冲独自の様式の確立を認め、造形の特質について論じています。
約三年半、研究作品の図版を毎日見続け、他の作品と比べることで、若冲彩色画における基底をなす様式が見えてきました。
振り返れば、テーマの選定については、無理に決めようとせず、そのうちテーマが自然と降りてくることを入学当初から待っていました。絵画作品がいいなと思いつつも、時代も、地域も、芸術ジャンルも限定はしないでおこうと。その間、数多くの芸術作品、伝統芸能などに触れ、文化的、芸術的な時間を積み重ねることを心がけていました。ただ、在籍三年目も終わり、未だにテーマが見つからない時は、さすがに不安になりました。
その翌年の春、ぶらぶら美術館を巡ろうと、スマホで若冲の展覧会を確認している時に、ようやくテーマと出会いました。作品を見た瞬間、「これだ!」と。まさに天啓を得た、ちょっとした不思議な感覚になりました。そこから三時間、狂喜乱舞したことを思い出します。
テーマが決まると同時にゴールが見えた卒業研究は、手のひらから始まりました。
大阪府
伊藤若冲筆 《雪中雄鶏図》 に見る造形様式の確立
藤瀬 貴久
芸術学コース
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