芸術学コース 佐藤 世津子
長谷川等伯の≪松林図屏風≫は、1952年に国宝に指定されたころから専門家や日本美術愛好家の一部では高く評価されていたものの、一般にも広く知られ人気を博すこととなるのは2000年ころからと思われます。一方、ブームとも呼べるほどの人気には大きなきっかけが見当たりません。この絵が近年愛好され、その空間の特性に「日本の原風景」を見る人が多くいることに目を向けて、その心性について考察しました。
調べていくと、古くからこれに類する絵があり、それが日本人に好まれてきたというわけでもないだろうというのが見えてきました。≪松林図屏風≫は東京国立博物館の所蔵ですが、私がよく訪れる博物館なので、身近に感じてきた絵でもあります。もともと謎の多い絵としても有名ですが、よく指摘される謎だけでなく、私自身「なぜだろう」と感じていたこともあり、卒業研究で取り上げたことでこの絵そのものについてだけでなく、そこから広がってさまざまなことを考えるきっかけになりました。
東京都
長谷川等伯≪松林図屛風≫ ―余白と日本の風景についての試論―
佐藤 世津子
芸術学コース
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