芸術学コース 知念 容子
本研究では、幕末から明治初期にかけて制作された「虫行列図」を取り上げました。バッタやハチなどの虫達が可憐な秋の草花を掲げて二足歩行で行進する、ユーモラスな作品です。
その作者として中心に据えたのは、幕末の大坂・船場で活躍した西山芳園。現在はあまり知られていませんが、繊細で淡い色彩の上品な画は当時の料亭や商家に愛されたといいます。
「虫行列図」は芳園だけではなく、彼の師の松村景文ほか円山四条派を中心とする複数の絵師によって制作されました。本研究では「虫行列図」の作例を検討・比較し、図案の系統と変遷を探ることをメインテーマとして、14人の作者、計26作品を取り上げています。
調査を進めるほどに次々と立ちはだかる謎。着地点の見えない中、中野先生と石上先生からは、時に的確なご指摘と時にさり気ない導きを賜りました。
楽しかったのがairUコミュニティを通じて学友の方が虫の絵画の情報を寄せて下さったこと。またいくつかの施設にも貴重な画像をご提供いただきました。
本研究は多くの方々のお力添えで完成しました。この場を借りて皆様に感謝を申し上げます。
どうぞ知られざる虫達の魅惑の世界を感じてください。
兵庫県
西山芳園《虫行列図》に関する考察 ―知られざる昆虫擬人画のルーツを探る―
知念 容子
芸術学コース
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