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芸術学コース 黒田 見友君

論文研究の段階では、「色面と輪郭線のずれはどのように成立したか」と、《動物詩集》を掘り下げたいという漠然とした興味と、二つの間で決めかねていると先生に相談したところ、「両方調べなさい」とのご指示。作業量が二倍になるぞという陰鬱な気分と、白黒版画の《動物詩集》と色彩の問題を同時に扱うことの矛盾に悩んでいました。事実、卒研レポート1でも両者は分断されたままで、結論が見えない状態でした。
そこで先生に個別面談を依頼し、「黒は、黒という『色彩』ではないか」と、「セザンヌのような美術史の本流にデュフィを関連づけることができたら」という有意義な助言を得ました(前者は半年前にも言われていたのに、当時は全く飲み込めていなかった)。ここから調査範囲を拡大し、両テーマを関連付ける鍵を見つけました。
デュフィの絵画に惹かれて選んだテーマなので、版画の歴史やセザンヌを調査するとは想定していませんでした。美術の歴史は大河のように流れ、合流したり分割したり、沈んだように見えたものがまた浮かんだり。見たいと思ったものは、そこだけ見ていては見えない、ということを卒論への取り組みから学んだのでした。


東京都

ラウル・デュフィの「色面と輪郭線のずれ」?セザンヌ、民衆版画、そして《動物詩集》との連関で―

黒田 見友君

芸術学コース

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