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芸術研究の世界#10「ヒッタイトの鉄とは何か―失われた技術から見えてくるもの―」

2022年1月25日

アクティビティ

日程終了しました

 2月2日(水)18:30より、文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界#10 ヒッタイトの鉄とは何か―失われた技術から見えてくるもの―」を開催します。

 

 このセミナーは、一か月に一、二回の頻度で、実施します。

セミナーの講師は、文部科学省科学研究費(通称:科研費)の研究代表者である、11名の本学教員です。

科研費は、人文・社会科学から自然科学まで、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として国から支給される研究費で、厳正な審査を経て採択され、数年間、申請した研究計画に沿って研究に取り組み、その成果を公表します。

 オンラインセミナー「芸術研究の世界」では、本学の教員が現在取り組んでいる芸術研究について、その研究を発想した経緯や研究の面白さ、難しさなども含めて存分に語っていただきます。セミナーでの質疑を通して、参加者の皆さんとともに、芸術研究の奥行きと拡がりに触れる機会となることを願っています。

 

 

芸術研究の世界#10

「ヒッタイトの鉄とは何か―失われた技術から見えてくるもの―」

講演者:増渕麻里耶(歴史遺産学科准教授)

日 時:2022年2月2日(水)18:30-20:00

対 象:京都芸術大学教職員、学生

 

【講演概要】 

みなさんはトムセンによる三時代区分法をご存知でしょうか。

道具の材質に注目し、人類の歴史を石器・青銅器・鉄器時代に分けるこのシンプルな手法は、社会を読み解くヒントを与えてくれます。

私は大学4年の夏、はじめて古代遺跡の発掘調査に参加して以来、「ヒッタイトにとっての鉄とはいったい何なのか?」という研究を続けています。

世界史の授業で「鉄をはじめて利用した」と教わるヒッタイト文明ですが、出土遺物、粘土板文書、そして遺物の自然科学的分析から見えてくることは実はかなり複雑です。

本講演では、教科書には載っていない「ヒッタイトの鉄」の実際、考古学や歴史学にどのように自然科学的研究が貢献しうるのかについてお話していきたいと思います。

 

【講師略歴】

増渕麻里耶(ますぶち・まりや)

2016 年 University College London(英国)Institute of Archeology 博士課程を修了。

”Diachronic Changes in Iron and Steel Production and Cultural Transitions in Central Anatolia, 1650-550 BC, in Light of a New Archaeometallurgical Investigation of Iron and Steel at Kaman-KalehoyukでPhD取得。

筑波大学大学院人間総合科学研究科世界遺産専攻(研究員)、(独)国立文化財機構東京文化財研究所文化遺産国際協力センター(アソシエイトフェロー)等の勤務経験を経て、2019 年 4 月より本学芸術学部歴史遺産学科に勤務。

トルコやイスラエルを中心とした西アジアの冶金考古学研究の他、文化財科学の専門家として日本、東南アジア、西アジア等のさまざまな文化遺産や文化財保護の基礎となる材質分析を行っている。

 

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【今後の予定】 (タイトルは科研の採択課題です。講演内容は追ってご連絡します)

3月2日 森田都紀 日本の芸能「能」の演奏技法の伝承過程に関する歴史的研究‐能管を中心に‐

※日程は講師の都合等で変更の可能性があります

 

日程2022年2月2日
時間18:30 - 20:00
費用無料
対象京都芸術大学教職員、学生
申込方法学内掲示板・学生専用サイト(通学・通信)をご確認ください
主催文明哲学研究所
文明哲学研究所

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