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文哲研3days「美学ー自然と文明を往来する思考」

2021年10月26日

アクティビティ

日程終了しました

 11月8日(月)15日(月)22日(月)の3日間、学内教職員・学生対象のオンラインセミナー文哲研3days「美学ー自然と文明を往来する思考」を開催します。

昨年度開催の3days「潜在するアート」に引き続き、吉岡洋先生(京都大学こころの未来研究センター特定教授)にたっぷり3日間、ご講演いただきます。

 

 

文哲研3days「美学ー自然と文明を往来する思考」

講演者:吉岡洋(京都大学こころの未来研究センター特定教授・文明哲学研究所客員教授)

 

【講演日程】

①2021年11月8日(月) 18:30-20:00 「山と森、ひるねするたぬき」

②2021年11月15日(月) 18:30-20:00 「性愛の力、春画からボノボまで」

③2021年11月22日(月) 18:30-20:00 「ファルマコン、両義性の思考」

 

【講演概要】

①2021年11月8日(月) 18:30-20:00 「山と森、ひるねするたぬき」

 美学的な考え方とは、そもそもどういうものか。もちろん美学を近代思想(とりわけ19世紀ヨーロッパ)に発するものとして定義することはできます。けれどもぼくは、近代西洋思想に刺激を受けつつも、美学をより広く「自然と文明との間を往来する思考」として考えてみたい。そのきっかけとして山や森について、柳田国男の『山の人生』や川端康成の『山の音』を参照しながら考察したいと思います。また、最近動画を配信しているYouTubeのチャンネルは「ひるねのたぬき」というのですが、なぜぼくにとってたぬきは特別な存在なのか、自然と文明とを行き来する存在としてのたぬきという視点から考えてみます。

*YouTube「ひるねのたぬき」 https://www.youtube.com/user/hyshk1956

 

②2021年11月15日(月) 18:30-20:00 「性愛の力、春画からボノボまで」

 フィンランドのアールト大学の美学者から頼まれて、性交や性器の表象が持つ意味についてのエッセイを最近書きました。例えば春画はポルノグラフィとは違うが、根本的には何が違うのか? といった話題です。これは元々、2019年にベオグラードで開催された国際美学会議で話したもので、まもなく『嫌悪の美学』(Aesthetics of Disgust)というタイトルの論集として出版されます。近代化に伴う身体表彰の変化、春画、現代のサブカルチャー、古代からの性器・性交崇拝、ボノボ(ピグミーチンパンジー)の性行動が持つ社会的機能などについて考えました。この内容を紹介しつつ、性の表象を自然と文明の往来という観点から考えたいと思います。

 

③2021年11月22日(月) 18:30-20:00 「ファルマコン、両義性の思考」

 この4年間「現代社会における〈毒〉の重要性」という研究プロジェクトを行なってきました。〈毒〉といっても毒薬の研究ではなく、〈毒〉と〈薬〉とを同時に意味する「ファルマコン」という概念を手がかりに、文化や社会における様々な現象について考える試みです。この研究プロジェクトでは同時に、「ファルマコン」をテーマとした美術展も毎年開催してきました。そもそも自然と文明とは何らかの境界によって隔てられているわけではなく、文明は自然に抱擁されて存在しており、また文明の内部に自然は浸透しています。近代的・合理的な思考に縛られるとそうしたリアリティは見えなくなってしまいますが、「直感」を重視する美学はそれを重視し、善/悪、生/死のような二元的思考を越えた、両義性の思考へと私たちを促します。

 

【講師略歴】

吉岡 洋(よしおか・ひろし) 

1956 年京都生まれ。京都大学 文学部哲学科卒業、同大学院博士後期課程単位取得満期退学(美学美術史学専攻)。甲南大学文学部教授、情報科学芸術大学院大学教授、京都大学大学院文学研究科教授等を経て、現在、京都大学こころの未来研究センター特定教授。専門は美学、現代思想、情報文化論。著書に『〈思想〉の現在形―複雑系・電脳 空間・アフォーダンス』(講談社、1997 年)、編著に『文学・ 芸術は何のためにあるのか?』(東信堂、2009 年)など。「京都ビエンナーレ 2003」「岐阜おおがきビエンナーレ 2006」総合ディレクター。批評誌『ダイアテキスト』(2000-2003年)編集長。映像インスタレーション作品「BEACON」(1999-2020)制作メンバー。美学会会長。日本学術会議会員。

 

 

 

日程2021年11月8日 - 2021年11月22日
時間18:30 - 20:00
費用無料
対象京都芸術大学教職員、学生
申込方法学内掲示板・学生専用サイト(通学・通信)をご確認ください
主催文明哲学研究所
文明哲学研究所

2015年度以前