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芸術研究の世界 特別講演

2022年7月7日

アクティビティ

 2022年7月6日(水)18:30より、文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界 特別講演」をzoomにて開催いたしました。

 

芸術研究の世界 特別講演

「芸術とお金の密かな関係」

講演者:吉岡洋(文明哲学研究所 教授)

日 時:2022年7月6日(水)18:30-20:00

参加者:175名(京都芸術大学教職員・学生)

*講演概要ほか詳細:https://www.kyoto-art.ac.jp/iphv/topics/5040/

 

 

【参加者感想(一部抜粋)】 

*美術作品が資本主義の商品とは別のところにあるということを理解しました。一方で工芸品は道具の側面も持っており、制作技術や労働・修練にかけた時間がある程度価値に反映するものとも感じました。

*自分を安売りしない、というのはどの分野にも通じるものだと大変勇気づけられました。

*今まであまり考えたことのなかった発想で、新しい観点としてこれからの学習にも生活してゆく上でも非常に参考になりました。

*芸術の世界もプロスポーツとして活躍する選手たち同様にマネジメント(第三者による)が必要なのかもしれないということを感じました。また、日本人の美徳(遠慮することなど)の良さは守りつつも時には、それではダメであるということを学ぶ機会となりました。

*哲学的であり、身近でありました。元々、役に立つから〇〇する、反対に役に立たなそうだから〇〇しない…という考え方は好きではありませんでした。他人からは無駄と思われる諸々の自分の趣味(?)の世界、学びの世界を肯定していただけたようで、嬉しかったです。

*「集中と選択は危険」と仰っていましたが、本当にそうだと思います。私も一つのことを極めたいという気持ちがありながらも、やりたいことが多すぎるタイプなのですが、関係ないように思えても、いつかは何かにまとまっていくと思っていろいろやってみています。「役に立つかどうか」は判断するためではなくおどしの言葉、というのも納得しました。

*「清貧」とか、ヴェニスの商人のシャイロックとか、ぼんやりと考えていたことを言語化していただいてスッキリしました。

*「お金」を出発点に語られる様々な価値についてのお話、大変興味深かったです。特に予測できないようなものが生み出されるために必要な環境については、価値の発見や享受のために必要なものとも重なるように感じ、その難しさについて考えさせられました。

 

 

ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。

今後もzoom等を活用しながらセミナーや研究会などを開催する予定です。一般公開セミナー開催の際はこのホームページにてお知らせいたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください。

 

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【文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界」】

このセミナーの講師は、文部科学省科学研究費(通称:科研費)の研究代表者である、8名の本学教員です。科研費は、人文・社会科学から自然科学まで、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として国から支給される研究費で、厳正な審査を経て採択され、数年間、申請した研究計画に沿って研究に取り組み、その成果を公表します。オンラインセミナー「芸術研究の世界」では、本学の教員が現在取り組んでいる芸術研究について、その研究を発想した経緯や研究の面白さ、難しさなども含めて存分に語っていただきます。セミナーでの質疑を通して、参加者の皆さんとともに、芸術研究の奥行きと拡がりに触れる機会となることを願っています。

 

【今後の予定】 (タイトルは科研の採択課題です。講演内容は追ってご連絡します)

8月3日 江本紫織 経験における撮影の位置付け-セルフィにおける「自己」の性質と作用関係の点から

9月7日 齋藤亜矢 描画のプロセスにおける想像と創造の関わりの検証

10月4日 藤澤三佳 生きづらさと社会的承認に関する社会学研究~多様な表現と他者からの共感を通して 

11月2日 戸坂明日香 「不気味の谷」を超える復顔法の研究

12月7日 前川志織 戦間期日本の嗜好品広告における間メディア性

1月11日 宇佐美智之 中央アジア・オアシス地帯における都市の成立と展開:ザラフシャン川流域を中心として

2月1日 大西宏志 オーラル・ヒストリー 芸術運動としての広島国際アニメーションフェスティバル研究

3月1日 牛田あや美 日本統治下の漫画家・北宏二/金龍煥の懸隔

※日程は講師の都合等で変更の可能性があります

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