2014年4月10日
ソフィア・サロン活動
2014年4月1日
人間学講座・市民講座
東北芸術工科大学・京都造形芸術大学の共同研究機関として設立した文明哲学研究所では、「核」廃絶と世界平和に向けた活動の一環として、芸術を通して、「FUKUSHIMA」を凝視し、現代文明の価値を問い、新たな文明を創造しゆく活動を探究しております。
東電福島第一原発の事故後の2011年5月上旬から1年半の間、写真家の大石芳野氏(文明哲学研究所客員教授)は毎月、福島へ通い、そこに生きる人々を撮り続けました。あたりまえの日常を奪われた人々が語りかけてくる、怒りと悲しみと、そして、希望。「震災、原発、自然、人間、そして、生きること」をキーワードに、写真展および市民公開講座を通して、平和創造への学びの場を創出していくことを目的とします。
会期:2014年4月22日(火)~5月2日(金)
時間:平日(祝日含む)9:00~18:00/土・日曜日10:00~16:30
会場:東北芸術工科大学本館7階ギャラリー
住所:山形市上桜田3-4-5
入場:無料
参加:学生および一般 ※写真展は申込不要で自由にご覧いただけます。
主催:文明哲学研究所
チラシPDF:140422tuad-iphv大石芳野写真展-A4表 140422tuad-iphv大石芳野写真展-A4裏
同展において、フランス人コンテンポラリーダンサー(舞踏家/振付家/舞踏研究家)のフィリップ・シェエール(Philippe CHEHERE)氏によるダンス・パフォーマンス公演を行います。大石氏が写し出したフクシマ、そして福島の人びとへの思いと祈りの会場で、写真展と同じテーマでダンス・パフォーマンスを披露いたします。大石氏の講演、そしてフィリップ氏によるダンス公演は一般の方もご入場いただけます。ぜひこの機会にご来場ください。
◎第2回市民公開講座「大石芳野・特別講演」
講師:大石芳野(文明哲学研究所客員教授)
日時:2014年4月22日(火)3b限目=12:30~13:50/6限目:17:10~18:30
会場:本館201講義室
参加対象:学生および一般 ※科目「芸術平和学」履修者以外は事前申込必要
入場料:無料
主催:文明哲学研究所
◎フィリップ・シェエール ダンス・パフォーマンス公演『FUKUSHIMA・土と生きる』
日程:2014年4月30日(水)
時間:17:30~18:30
会場:本館7階ギャラリー
入場:無料
参加:学生および一般 ※事前申込必要
主催:文明哲学研究所
関連ページ:http://www.tuad.ac.jp/2014/02/33812/
下記、明記の上、東北芸術工科大学「文明哲学研究所」あてにEメールまたは、FAXにてご応募下さい。
メール件名:大石芳野写真展イベント参加希望
1:参加希望イベント名A~Cを明記
・A=4/22(火)12:30 大石芳野講演・市民公開講座
・B=4/22(火)17:10 大石芳野講演・市民公開講座
・C=4/30(水)17:30 フィリップ・ダンス公演
2:氏名
3:連絡先(中止など緊急連絡に対応できる携帯電話など)
4:東北芸術工科大学生のみ学生番号
5:返信可能なメールアドレスまたはFAX番号
6:在住市町村名
7:所属(任意)
※上記、個人情報は本事業以外の目的には使用しません。
お申込み・お問合せ先
東北芸術工科大学「文明哲学研究所」
TEL:023-627-2177
FAX:023-627-2360
E-mail:iphv@aga.tuad.ac.jp
※会場の都合上、定員(先着順)になり次第、締切らせて頂きますのでご了承下さい。
大石芳野(Yoshino Oishi)氏
東京都出身。写真家。文明哲学研究所(平和文明会議メンバー)客員教授。日本大学客員教授。世界平和アピール七人委員会委員。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、ドキュメンタリー写真に携わり今日に至る。戦争や内乱、急速な社会の変容によって傷つけられ苦悩しながらも逞しく生きる人びとの姿をカメラとペンで追う。著書に『ベトナム 凜と』(土門拳賞)、『無告の民 カンボジアの証言』(日本写真協会年度賞)、『カンボジア苦界転生』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『福島FUKUSHIMA 土と生きる』等多数出版。2007年エイボン女性大賞、同年紫綬褒章ほか。2008年11月に東北芸術工科大学・本館7階ギャラリーにて「大石芳野写真展『戦世の子どもたち』」を開催。2013年8月から9月にかけて京都造形芸術大学・瓜生館1階で「大石芳野写真展『FUKUSHIMA・土と生きる』」を開催。
フィリップ・シェエール(Philippe CHEHERE)氏
舞踏家/振付家/舞踏研究家として活躍し、ハンチントン(舞踏)病の患者を対象に医療機関等でダンス・ワークショップを実践、研究し、日本では、2010年に東京都現代美術館でのダンス・パフォーマンス・プロジェクトをはじめ、東京医科歯科大学や立命館大学生存学研究センターで特別講師を務める。東北芸術工科大学にて、2010年より毎年「芸術平和学/芸術文化論」の特別講師を務める。2013年12月に山形県庄内町にて、ダンス作品『フクシマ ―痛むものの声―』を東北芸術工科大学の卒業生を中心にしたダンス・チームの一員として上演。この作品は、人類にとっての文明を考えるきっかけにしたいとの願いを込めて上演される。
2014年3月25日
ソフィア・サロン活動
4月1日(火)より、「愚行展 「核」-無知・隠ぺい・無関心」を開催します。
無知・隠ぺい・無関心をキーワードに、核開発、原子力発電の歴史を人間の「愚行」と捉え、世界各国の核兵器や原子力発電所の保有数などを表した立体世界地図、1789年ウラン発見からのヒバクの歴史を綴った年表、日本が原発大国になるまでを追った展示を行います。
また、参考文献スペースでは、核兵器や原発に関連する書籍や写真集を自由に閲覧することも可能です。
3.11から3年、福島第一原発の問題は現在進行形であり、何も解決していないにも関らず、その情報や報道はあまり聞こえてきません。また、世界ではいまだに莫大な量の核兵器が保有されたままです。
今、わたしたちは何を考え、どう行動すべきなのか。戦争や貧困などの問題と深く結びついている「核」の歴史を俯瞰することで、人類が直視していなかったものは何なのかを探ります。
「愚行展 「核」-無知・隠ぺい・無関心」
開催期間:2014年4月1日(火)―5月31日(土) *入場無料・自由鑑賞
場所:京都造形芸術大学 瓜生館1階
皆様のご来場をお待ちしております。
2014年3月11日
文明論哲学
あの悲惨極まりない「3.11」東日本大震災、そして福島第一原発・過酷事故から3年の月日が流れた。
今なお約29万7千人が避難生活を強いられ、福島、宮城、岩手などのプレハブ仮設住宅の入居率はおよそ84%であるという。
このこと一つ考えても、被災者の方々の暮らしむきは、未だほとんど改善されない状況にある、と断定できる。しかも、2600人以上の行方不明者に対する必死の捜索活動も効果をあげられないでいる。
また、震災後の避難生活による体調悪化や自殺など「震災関連死」は、3県で3000人弱にのぼる。福島第一原発のある福島県は、震災関連死者の数が他県と比べても異常に高く、1660人を数え、地震や津波での直接の死者数(1607人)を上回っている。
福島第一原発の事故は、終息どころか、過酷事故として進行中なのである。
廃炉現場では汚染水漏れなどの人為ミスが多発している。原因の一つは、本来、政治の厳格な管理のもとでやるべきことを、この事故で無能力をさらけ出した直接責任を取るべき東京電力に丸投げしていることにある。
そのために廃炉作業に携わる6000人もの現場作業員は、下請けや孫請けなどという古いゼネコン・システムに阻まれ、中間搾取され、最も危険な仕事に従事している現場作業員の手には「危険手当」が渡らないという事態すら起こっている。この未曾有の過酷事故のさなかでも、それに便乗して金儲けに走る悪魔の「守銭奴」というべき企業家たちの破廉恥な強欲には呆れてものも言えない。病膏肓に至る最悪の事態である。
*
全くこの国の政治および政治家たちには、国民への愛というものが、良心というものがないのか、と本気で叫びたくなる。
こんな悲惨な状態を無視するかのように、あの厚顔無恥な原子力ムラの既得権益者たちと首相をはじめとする政府は、がっちりと手を組んで、被災者や国民に向けてはソフトイメージを演じながら、一方では「原発再稼動」を叫ぶ。この平然とした二枚舌、三枚舌には心底から怒りを感じる。国民を欺く政治は、必ず国民によって裁かれる。
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被災地の福島では、風評被害や放射能被害に苦しむ人たちの間でも「復興」のために、本音が言えぬ「自己検閲」のような空気が深く漂っていると聞く。おさなごの「放射線量による、あるいは食物による内部被曝」を心配する親たちの気持ちを表現させないような雰囲気も生まれているというのだ。ただでさえも厳しすぎる原発事故被災の環境なのに…と思う。
朝日新聞・東北復興取材センター長(仙台総局長)の坪井ゆづる氏は「むろん、被災地のそこかしこで、人々の笑顔が少しずつ戻っていることを否定するつもりはない。だが、3年の歳月を経て、被災地はこの国でもっとも豊かな『東京』にとって都合のいい『植民地』のように見えてくる現実も間違いなくある。それが未曾有の惨禍でも変わらない、この国の姿なのだ」という。
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私たち国民が、いつの間にか政治や原子力ムラ、一握りの強欲な金満家たちにとって都合のいい「植民」として馴致され、彼らが押し付ける隠蔽された不条理さえもいつの間にか風化させられ、経済繁栄などという目くらましにあの日以降もずっと踊らされているとしたら……。いまこそ目覚めるべきであろう。
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政治が、行政が、被災者の方々の苦しみや悲しみを「切り捨て」ようとしても、国民の「良心」は絶対にそれを許さない。
文明哲学研究所 所長 井 原 甲 二
2014年2月28日
平和文明会議