2019年2月
2019年2月27日 イベント
2月2日(土)に開催した『Storyville 2019 物語の声を聴け』。
どんなイベントになったのか、
受講生で2年生の早川時矢くんにイベントレポをお願いしましたので、皆様にもお伝えします◎
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【見て聴く、文字と言葉。】
2月2日(土)。
声として発せられる言葉は目には見えません。
文字として綴られる言葉は耳には聴こません。
しかし、物語には作者であれ登場人物であれ、
様々な声が存在しています。
イベント会場は京都・一乗寺にある恵文社一乗寺店イベントスペース「COTTAGE」
ログハウスのような雰囲気の会場は、物語の世界にぴったりでした。
第1部では、文芸表現学科の卒業生と在校生や、
詩人の宿久理花子さん、昨年に長編小説デビューをされた藤田祥平さん、
小説家の吉村萬壱さんによる朗読が行われました。
トップバッターを飾る文芸表現学科2回生の市川くんをはじめ、
在校生や卒業生による自作の物語が繰り広げられていきました。
石川くんはタイに行った際の少女との出会いの旅行記を、
朝倉さん、加藤さん、渡辺さんは自作の詩を、
卒業生である吉原さんは自作の小説を。
溌剌と、一方では落ち着いた雰囲気で、
個性豊かに朗読しました。
上左:4年生の石川くん、上右:4年生の加藤さん、下左:卒業生の吉原さん、下右:1年生の朝倉さん
左:宿久さん、右:藤田さん
ゲストで小説家の吉村萬壱さん
料理・ドリンクの提供も、学生たちと先生で行いました。
学科長・河田先生特製カレー。スパイシーな香りと野菜の甘みが美味しく、好評につきイベント中盤で完売しました◎
2019年2月25日 イベント
2018年度文芸表現学科卒業作品展「BUNGEI BOOK FAIR 2018」。
おかげさまで、来場者数・BOOKS販売数など、昨年の記録を大幅に越える結果となり、
多くの方々に卒業生の「ことば」と出会っていただけたのだなぁと、
学生・教職員ともに感謝の気持ちでいっぱいです。
お越しくださった皆様、本当にありがとうございました。
最終日であった17日には、卒業展クロージングパーティーと、同窓会賞授賞式も行われ、
料理とドリンクを楽しみながら、4年生たちは搬入から最終日までの約2週間を思い出したり、
労いあったり、卒業後の進路についての話などに花を咲かせていました。
同窓会賞受賞式。「とったど〜!」と喜びとあらわにする工藤瑞妃さん。
副学長の片上先生と、文芸表現学科学科長の河田先生。
2019年2月15日 イベント
卒業展のブックカフェで提供している、文芸オリジナルブレンド「BUNGEI BLEND」がたいへん好評です!
教職員の方には、毎日注文してくださるリピータも!
BUNGEI BLENDは深煎りの珈琲です。
1杯ずつ、ハンドドリップで抽出していることも美味しさのヒケツです。が、
文芸の珈琲の美味しさの秘密は、瓜生館1Fにあるカフェ・ヴェルディのコーヒー豆を使っていることと、
事前に続木オーナーからコーヒーのレクチャーと淹れかたのワークショップを受けたことにあります!
カフェ・ヴェルディの続木オーナー
抽出の仕組みを、ミネラルウォーターにたとえて
左手は腰に!
学生たちもトライ
泡の上に乗せるように注ぐ。
2019年2月14日 イベント
本日も、文芸表現学科卒業作品展「BUNGEI BOOK FAIR 2018」を開催中です。
会場では、BUNGEI BOOK CAFE、卒業作品を書籍化したBUNGEI BOOKS、
卒業作品・作者プロフィール展示した本棚をお楽しみいただけます。
また、会場内を彩る垂れ幕には、2018年度の主要受賞作品から抜粋した一文を使用しています。
さて、どんな作品が受賞したのか。先生からの講評とともに詳しくBLOGでもお伝えしたいと思います◎
学長賞
石川悟『伝播通信』
著者が2017年から翌年にかけ、タイ、カンボジア、ミャンマー、インド、ネパールをめぐった旅行記。筆舌に尽くしがたいヴァラナシの光景、インドの物乞いの少女、カンボジアのトゥクトゥクの運転手はじめさまざまな人々との出会い、姿を消したカトマンズで食堂を営んでいた家族──印象に残る場面は枚挙に暇がないが、本作を通読して驚かされるのは、旅の魅力を十二分に感じさせてくれるこれらのエピソードを、ひとつのテーマのもと作品としてまとめた筆者の力量である。そのテーマとは、「人はなぜ旅をするのか」。読者は旅の経験だけでなく、著者が問い続けるこの問いをも共有する。そして旅へと誘われるのだ。(教員コメント/河田学)
優秀賞
渡邉風子『家のカンガルー』
日本人の老夫婦に誘われタスマニアからはるばる日本へとやってきたカンガルー。人語を話すカンガルーは、老夫婦一家にまるで家族の一員のようにとけこんでいく。奇想天外にも思えるこの世界を、ことばという魔術で紙の上に再現してみせた著者の力量は特筆に値する。そんな不思議な物語を本作の縦糸だとすれば、横糸は作品の随所にみいだされる《家族》というテーマである。そしてそのテーマはかならずしも幸せに描かれているとはかぎらない。けっして不幸ではない、それでいてどこか切ない(疑似)家族のなかでかすかに揺れうごく人々(とカンガルー)の心を見事に描いている。(教員コメント/河田学)
奨励賞
西村有美香『スイート・スイート・マリィ』
ネットの投稿サイトで書いていた小説が書籍化されることになったユウコ。喜びの絶頂と、失望、幻滅、落胆とのあいだで反復横跳びを繰りかえすユウコの悲喜こもごもを痛快に描きながら、「人はなぜ書くのか?」「上手い小説とは」を問い続けた作品。小説を書く主人公はやはりこの作品を書いている著者自身の分身だが、主人公に鋭いツッコミを入れるノンちゃん、そして語り手の存在によって、主人公が相対化されていて小気味よい。ずっと言及されながらも明かされない、主人公の作中作の一説を読むまでページを繰る手が止まらない。(教員コメント/河田学)
奨励賞
牧野佐耶『あなたが左利きだとしても』
〈私〉のバイト先のコンビニでは、ある常連客が話題になっていた。毎回違う女の子を連れてきては、コンドームを買って帰るのだ。ある日突然告白されて、〈私〉はそんなカンちゃんとつきあうことに。カンちゃんが初めての彼氏の〈私〉は、恋愛経験の違いに〈私〉は戸惑い、苛だち、傷つくが、女たらしのカンちゃんはじつは悩みを抱えていた……。日常の些細なディテイルをつうじて活きいきと描かれる等身大の主人公たち。なんの変哲もない二人の「小さな愛」が、「恋愛とは?」という大きな問いを照らしだす。(教員コメント/河田学)
奨励賞
小石川夕見『カラオケに行きたいという気持ちだけで生きてゆける』
まずタイトルが面白く、しかしながら、どこか切ない感覚を湛えている。そして冒頭の数行に、はっとさせられる。「捏造された日記にすべてほんとうのことが書かれている」というのだ。なんとも不思議なたくらみに満ちた小説で、鋭い観察眼と、ポップで感性豊かな語りも、とても魅力的だ。書きながら語り、語りながら考え、考えながら動き、動きながら書く、といったタイプの書き手なのかもしれない。いったいどうやってこのような作品が書かれえたのかと感心する反面、主人公をはじめとする登場人物たちのドラマには、もっともっと深めるべき余地が残されてもいる。とにかく、今後の作品群を待望している。(教員コメント/辻井南青紀)
奨励賞
大道康晴『罪のベクトル』
罪とはなんなのか、善悪とはなんなのか。中学二年生の主人公・堤宗一は、いじめを肯定する背徳的な転校生や、殺人による服役歴のある叔父との出会いによって、これまで当然に刷り込まれていた自らの倫理観や道徳観が激しく揺さぶられていく。著者が在学中にずっと苦悶しながら向き合ってきたテーマを本気で描いているからこそ、この小説には際立った強度と重み、パンクさながらのグルーヴ感があり、読む者を終始圧倒する。なお、本作にはいわゆる差別用語とされる言葉がいくつか使用されているが、それは決して被差別者を貶めるものではなく、むしろそういった問題に対する疑義と警鐘のあらわれである。(教員コメント/山田隆道)
同窓会賞
工藤瑞妃『ゆめみること』
気持ちよく読める作品である。京都の芸術大学を舞台に、油画の制作に取り組む主人公・美和子の日常と成長が等身大で描かれている。モチーフは彼女の見る夢と、それを記録した夢日記。学内の変わり者たちが集まる「窓際会」に、主人公が加わったところから物語は動きだす。
創作にまつわる葛藤や不安、孤独感など、芸大生らしいエピソードがリアルに積み重ねられていくが、語り口はあくまで軽妙だ。数多い登場人物が巧みに描き分けられ、ストーリーもよく練ってあり、日常にひそむ「何か」を丹念にすくいあげている。ファンタジックで浮遊感ある小説空間は、本学での4年間を表現に昇華させた作者の現在地でもある。(教員コメント/村松美賀子)
今年度の作品は34名・34作品。それぞれに大学で学び、感じ、失い、得たものが作品なかで息づいています。
ご来場くださる皆さんには、皆さんの経験や感性で、その息吹を感じ取っていただければと願っております。
お気に入りの作品を見つけに、ぜひご来場ください◎
---------------
卒展は今週末まで開催です!
2月16日(土)・17日(日)は、
卒業展/大学院修了展 OPEN CAMPUSも開催します!
16日(土)は「文芸表現学科 作品講評会」も実施しているので、特にオススメです!
卒業生・在学生・教員の熱い講評を覗きに、ぜひ足をお運びください〜!
(スタッフ・大賀)
2019年2月9日 イベント
いよいよ2018年度 京都造形芸術大学卒業展・大学院修了展が始まりました!
文芸表現学科では「BUNGEI BOOK FAIR 2018」と題し、
ことばが「読まれるかたち」をテーマにブックカフェを営業しております◎
【BUNGEI BOOKS】
4年生の執筆作品を文庫本化し、部数限定で販売しております。
円テーブルで展示しているものはご自由にお手にとっていただけますので、
お気に入りの作品をみつけてください◎
4年生の作品がぜんぶ読めちゃう、卒業制作作品集「littera 2018」¥3,000は受付にて販売中です。
BUNGEIブレンドとカステラセット ¥500
コース・分野を選択してください
京都芸術大学は、今アジアで最もエネルギーを持って動き続ける大学であるという自負があります。
通学部13学科23コース、通信教育部4学科14コース、大学院、認可保育園こども芸術大学。
世界に類を見ない3歳から93歳までが学ぶこの大学は、それぞれが溢れる才能を抱えた“プロダクション”のようなものです。
各“プロダクション”では日々何が起こっているのか。授業や取組みの様子、学生たちの作品集や人物紹介。
とどまることなく動き続ける京都芸術大学の“プロダクション”の数々。
そこに充満するエネルギーを日々このサイトで感じてください。