文芸表現学科

『Storyville 2019 物語の声を聴け』イベントレポート

オープニング
2月2日(土)に開催した『Storyville 2019 物語の声を聴け』。
どんなイベントになったのか、
受講生で2年生の早川時矢くんにイベントレポをお願いしましたので、皆様にもお伝えします◎
 
 
 
 
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【見て聴く、文字と言葉。】
 
fuko
2月2日(土)。
 
声として発せられる言葉は目には見えません。
文字として綴られる言葉は耳には聴こません。
しかし、物語には作者であれ登場人物であれ、
様々な声が存在しています。
 
 
受付
イベント会場は京都・一乗寺にある恵文社一乗寺店イベントスペース「COTTAGE」
ログハウスのような雰囲気の会場は、物語の世界にぴったりでした。
 
 
第1部では、文芸表現学科の卒業生と在校生や、
詩人の宿久理花子さん、昨年に長編小説デビューをされた藤田祥平さん、
小説家の吉村萬壱さんによる朗読が行われました。
 
トップバッターを飾る文芸表現学科2回生の市川くんをはじめ、
在校生や卒業生による自作の物語が繰り広げられていきました。
 
石川くんはタイに行った際の少女との出会いの旅行記を、
朝倉さん、加藤さん、渡辺さんは自作の詩を、
卒業生である吉原さんは自作の小説を。
溌剌と、一方では落ち着いた雰囲気で、
個性豊かに朗読しました。
 

上左:4年生の石川くん、上右:4年生の加藤さん、下左:卒業生の吉原さん、下右:1年生の朝倉さん

上左:4年生の石川くん、上右:4年生の加藤さん、下左:卒業生の吉原さん、下右:1年生の朝倉さん


 
 
宿久理花子さんの独白するような雰囲気の詩の朗読に、会場の参加者は静かに聞き入りました。
 
藤田祥平さんには自作の短編作品を披露していただきました。
丹念に描かれた作品と藤田さんの語りに、一同、飲み込まれていきました。
 
 
左:宿久さん、右:藤田さん

左:宿久さん、右:藤田さん


 
 
ゲストの小説家・吉村萬壱さん

ゲストで小説家の吉村萬壱さん


最後を飾る吉村萬壱さんは、
『虚ろまんてぃっく』(文藝春秋)所収の短編「行列」を朗読くださいました。
大量の人が前後に並び、歩き続けるといった世界の中で語られる物語。
その人間の内部に秘められている性質を剥き出しにした文章とエピソードに、
時に会場が笑いの渦に巻き込まれるなど。
今までとは違ったテイストの朗読となりました。
 
 
 
 
ここで第1部は終了。
なお、会場の一部にキッチンが添えられており、
そこで作られたオクラとキーマのカレーやアップルパイがドリンクと共にテーブルに並びます。
これがまた、とびきり美味しい!
 
料理・ドリンクの提供も、学生たちと先生で行いました。

料理・ドリンクの提供も、学生たちと先生で行いました。


学科長・河田先生特製カレー。スパイシーな香りと野菜の甘みが美味しく、イベント中盤では完売しました◎

学科長・河田先生特製カレー。スパイシーな香りと野菜の甘みが美味しく、好評につきイベント中盤で完売しました◎


 
出演者それぞれの世界観をそれぞれの声で聴く。
声に誘われその物語に没入していくたび、
今まで進んでいた箸が止まっていくあの感覚。
 
そして、休憩時間に隣の人と先程までの朗読の感想を言い合える。
この素敵な体験は、他では味わえないものだと思います。
 
 
taidan
第2部では吉村萬壱さんと河田学先生による、
「朗読」をテーマにしたトークが行われました。
 
そこで語られた、朗読における人称の差がとても面白く。
例えば三人称より一人称の方が語り手の感情移入のしやすさが違う、
といった非常に興味深い見解が見受けらました。
 
さらに、今回の朗読者ごとの性質の違いなども指摘され。
声色や呼吸など十人十色の朗読が生まれたことを、面白く捉えていました。
また、吉村さんが飼っているウサギに噛まれたエピソードで、
会場が笑顔に包まれることも。
 
 
 
普段、物語を頭の中だけで読む私たち。
文字の物語を聴く体験はとても貴重なものではないでしょうか。
会場に多数の人が集まり、食事をとりながら朗読を聴く。
それは、このイベントならではだと思います。
 
以上。物語の声というテーマで開かれた朗読イベント、
『Storyville 2019 物語の声を聴け』
そこで見聞きした物語と声は、読書を新しい世界に導くものでした。
 
 
 
(文芸表現学科2年・早川時矢)
 
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Storyville〔ストーリーヴィル、物語村〕は、今後も皆様に文芸表現との出会いの場をお届けしていきます。
次回の開催もご期待ください◎
 
 
 
(スタッフ・大賀)
 
 
 
 
 

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