キャラクターデザイン学科

2020年2月

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2020年2月27日  学生紹介

ゼミ通ヒーローズvol.19「田邉正太と発想法について語るの巻」part1

ゼミ通

 

ゼミ通ヒーローズ Vol.19

田邉正太と「発想法」について語るの巻 Part1

 

今回のゼミ通ヒーローズは、村上ゼミ3年生の田邉正太君(大阪府立茨木西高等学校出身)をピックアップします。

 

01

村上

毎度恒例の質問からいきますね。何故この大学に入ったの?

 

田邉

まあ、理由はいくつかありまして、元々芸術系の大学に進むことは考えていたんですけど、正直学科までは決まってませんでした。まず自分が一番やってきたことはゲームであるということ。それと、小学生の時からずっと小説を書いてきたんです。でも文章力がそれほどないので、小説に関しては人に読ませたことはないんですよ。とまあ、それは置いといて、なんでこの学校に来たかって言うと、…ムズいですね。

 

村上

どの入試で入った?

 

田邉

AO入試です。入試のとき、なんか先生方に凄い褒められたんですよ。それに、そもそもやってる内容が凄く楽しかったんですね。

キャラクターとかを作りたかったわけじゃないんですけど、自分が考えたストーリーとか世界を表現したかったんです。その中でキャラクタ―デザイン学科だと色んな分野を幅広く学ぶことができて、しかもその中にゲームもあると知って、それが決め手になりましたね。

 

村上

じゃ最初からゲームの領域を希望していた?

 

田邉

そうですね。最初からゲームゼミ狙いでした。

 

村上

プログラミングはやったことはなかったの?

 

田邉

なかったですね。RPGツクールとかでゲームを作ったことはあったんですけど、完成させたことはなかったんです。なので、何か完成させたくて大学に入りました。

1年生のときの「ゲーム制作基礎」の授業内容が面白かったですね。グループワークでの課題を出されて、人前でプレゼンするっていうことも初めてだったし、他の人の考えも聞くこともできて。グループワークって色々問題が起きるじゃないですか。意見がぶつかり合ったりギスギスしたりとか。そういうのも含めて凄く楽しいなって思って。

 

村上

さっき「完成させたことがなかった」って言ってたけど、学科展では二本もゲームを完成させたよね。

ちょっとその作品についての話をしていこうかな。まずは「シークロック」。これはどんなゲームなの?

 

 

02

↑「シークロック」のゲーム画面

 

 

田邉

ああ、シークロックか。

 

村上

急にタメ口かよ。

 

田邉

これはプログラマーとして関わったんですけど、楽しかったですね。

完成させたっていうことがまず凄い達成感がありましたし。動くものを人に見せることができたっていう。ただあれって、プログラミングとしてやってることは、文字を表示するのとアニメ―ションを表示させるくらいの単純なものなんですよね

 

村上

ストーリーの分岐とかもあったよね。

 

田邉

まあ、しょーもないものですけどね(笑)。いや、しょーもないっていうか。しょーもないんですけど。まず、企画が完成するのがめちゃくちゃ遅かったんですよ。アイデアもなかなかまとまらずに、先生からも「一体コレの何がおもろいんだ」と言われ続けて…。

内容としては、エイリアンとおじさんが同じ空間にいて、それを観察して、プレイヤーはアイテムを与えておじさんとエイリアンの関係を見届けるという感じです。こういうのアドベンチャーゲームっていうんですかね。

 

村上

飼育ゲームという言い方の方が伝わりやすいかな。で、ゲームの見どころは?

 

田邉

見どころか。

 

村上

タメ口かよ。

 

田邉

シチュエーションとして面白いものがあるので、おじさんとエイリアンが急に部屋に閉じ込められるという設定でプレイヤーを引き込みたかったんです。あとは大瀬(デザイン担当)のアニメーションを見て、「この動きかわいいね」っていうところですかね。

自分がどのアイテムを与えたかで結末が変わるっていう。6つエンディングが用意されていて、そのうちの2~3個があまり良くない結果になってます。

 

村上

実際に一般の来場者に遊んでもらってどう感じた?

 

田邉

正直不安だったんですよ。プレイ時間の長いゲームですし。でも展示会場ではたくさんの人に遊んでもらって、常に笑顔というか、その表情を見たときに「やって良かったな」って思いましたね。

 

村上

主人公キャラクターのモデルを石鍋先生(キャラクタ―デザイン学科准教授)にした理由って何かあるの?

 

田邉

それは崎(プランナー)の好みですね。あいつオジサンとかオバサンが好きなんで。たまにオバサンを見て「かわいい」とか言ってますよ。

 

 

03

↑包装紙の裏に書かれたシークロックのイメージスケッチ

 

 

村上

で、今回の主題が「発想法」ということで、ゼミメンバーの中でもやっぱり田邉といえばアイデアマンという立ち位置になってるし、そこにも触れていきたいな。

 

田邉

そう呼ばれるのは嬉しいんですけど、自分が発想法に長けてるとは思ってないんですよ。凡人なんでね。…話し方なんですかね。遠慮なくズケズケと言う性格なのでアイデアマンだと勘違いされてるだけなんだと思いますけどね。周囲にグレーゾーンで話す人が多いので、単に白黒ハッキリさせたいだけなんですよ。

 

村上

「アリかもしれない」とか日本人特有のグレーな話し方すると特に留学生が困惑しちゃうんだよね。「アリかナシか、どっちデスカ?」って。

 

田邉

そうです。僕はそのグレーが面倒臭いというか、早くどんどん結論を出していきたいんで、ハッキリ言うんです。それによって嫌な思いをする人も少なからず出てくるんですけど。

 

村上

一年前と今とで比較するとすごくゼミの空気が良くなってきた印象があるね。昨年度「脱出ゲーム」の議論をしてるときは全員がグレーな発言をして全然話がまとまらずに、なんか水面下で探り合ってるような空気があったんだけど、あれを完成させてから自信がついたのか急に全員積極的に発言するようになって、風通しが良くなってきた。去年のゼミはお説教しかしてなかったもんね。でも今はもう「任せて大丈夫」って思ってる。

 

田邉

そう思っていただけると嬉しいです。

 

村上

で、話を戻すと、発言するということの前に発想法の話ね。さっきは謙遜気味だったけど多少なりとも自覚はしてるの?

 

田邉

確かに、ちょっとは人と違うことが言えるかも、とは思いますけどね。ズバ抜けてるわけではないですね。ていうかアイデアを出してるわけではないんですよ。なんでそれをアイデアと言われるかというと、僕が会話の中で変なことを言ったりするからなんですよね。筋が通らないようなことを。それが奇抜だとか珍しいとか思われがちで、そのことを指してるんじゃないですかね。

 

村上

去年面談の時に田邉にお説教をしたことがあるけど、覚えてるかな。「結果を出さない」ってことで。「普段何してるの?」って聞いたら、「公園で一日中考え事をする」って言ってたよね。色んなものを見て人の動きを観察するんだ、って。もちろんそれも大事なことなんだけども、考えるだけじゃなくて実際に手を動かしてアウトプットに繋げていかないと経験値にならんでしょうと。

 

田邉

発想をしに行きたいというより、公園にいると一人で考え事が出来るんですよね。癒されるものを見てると頭が柔軟に働くというか。二日に一回は一時間くらい歩いて帰るんですよ。そうするとモヤモヤしてた考えがハッキリと固まってきたりします。

 

村上

自分も、会議室とか研究室とかにいてもアイデアがまとまらないから、たまに喫茶店で仕事をするんだけど、ある程度の雑音がある方が集中力が高まることがあるね。研究室にいると「雑音」ではなく「声」として聞こえてくるから、気が散って何もできない。

 

田邉

僕も知り合いに見られてたら何も考えられなくなりますね。公園では物語の設定とか考えて、短編のストーリーとして書いています。あと、引き出しを増やすために「夢日記」を書くようにしてます。

夢って、起きてるときに考えてるようなことじゃなくて、突拍子もない記憶がよみがえってくるんですよね。そういうものを書き記すことで徐々に面白いことを発想できるようになるんじゃないかと思って。

 

村上

俺ダメだ。朝起きたら完全に夢の内容忘れるから。

 

田邉

それはダメですね。少しずつでも書いていくと訓練になるらしいですよ。記憶力も高まるっていうし。夢日記以外でいうと、考えることを多くしようと意識してるとか、そんな感じですかね。

 

村上

企画会議はどう?そういう場だとアイデアは出るの?

 

田邉

いざ考えようとすると出ないです。なんでだろう。人と話すと何も出ないんですよ。一人でじっくり考えたい方なんでね。でも紙を用意して会議するときに、自分が主導でアイデアを作って見せたりしたら、一人で考えてるときと同じなのでスラスラ出てくるっていうことがあります。まとめてるところを誰かに見てもらってるっていう状況が、議論を前向きに進めてるように感じてるのかも知れないです。どんどん調子に乗って行けるんで。

一つ面白いと思えるネタが見えてくると、アイデアが連鎖反応を起こしてガンガン繋がっていくんですよね。一つ目の「これだ!」っていうやつを見つけるまでは結構迷ったりするんですけど。雑談をしてる中で「あ、こいつ面白いこと言ったぞ」って思ったら、そこから広げていけますね。細かいアイデアっていうのはなかなか出さないんですけど、大きな取っ掛かりは人との会話から生まれますね。

 

 

Part2に続く

 

 

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2020年2月24日  イベント

「繋ぐ点と展」開催しています!

こんにちは。

キャラクターデザイン学科アニメーションゼミ3回生の谷藤若奈(出身高校:大阪府立香里丘高等学校)です!

 

2月22日(土)~226日(水)まで

MEDIASHOP 2gallery 2にてアニメーション・CG・イラストの

3ゼミの2.3回による合同展示「繋ぐ点と展」が開催しています!

展示時間は12:0020:00(最終日のみ15:00まで)、

MEDIASHOPの中にある階段で2階へお越しください!

本展のコンセプトは、

私達と作品と来て下さる方の出会いを繋ぎ、来年展示を担う後輩へと未来を繋ぐ。 

 様々な点同士を繋ぐきっかけを生む、をコンセプトとした展示です。

 

アニメーションゼミ、CGゼミ、イラストゼミの合同展ということで同じ空間のなかどのように作品を展示していくのか。

また展示を楽しんで見てもらうにはどうすればいいのか学生全員で考え今回の「繋ぐ点と展」の形を作成しました。

 

‡@

 

入ってすぐにイラストゼミがあります。

B-Side LABELとの連携授業にて制作したオリジナルステッカーを用いたパネルです。

なお、ステッカーは1300円で販売しております!

 

 

‡A

CGゼミは、自分達で企画から初めて半年かけて作品を完成させています。

ゲームは全て実際にプレイしていただけます!

 

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CGアニメーション・オリジナルアニメーション・ACジャパン広告学生賞応募作品など

個性豊かな様々な作品を18本、上映しております!

作中にあるシーンの作画も展示しておりますので、ぜひお手に取ってパラパラしてみて下さい!

 

‡E ‡F

 

「繋ぐ点と展」

期間:222日(土)~226日(水)

時間:12:0020:00(最終日のみ15:00まで)

場所:MEDIASHOP 2 gallery 2

MEDIASHOP中にある階段で2階へおこし下さい

 

ぜひお越しください!

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2020年2月19日  学生紹介

ゼミ通ヒーローズvol.18 小林鈴果と「脱出ゲーム」について語るの巻 Part2

ゼミ通

 

ゼミ通ヒーローズ Vol.18

 

村上

じゃあ今度はゲームの中身の話をしていこう。

まずはこの脱出ゲームの制作時のワークフローというか、チーム編成について説明してくれる?

 

小林

はい、大きく「運営班」と「制作班」に分かれました。

私は制作班の方の進行役を務めさせていただいたんですけど、

その制作班の中にも謎や仕掛けを考える「ギミック班」と、

そこで考えられたものを印刷用のビジュアルに落とし込む「デザイン班」、

そして内装や衣装、小道具を準備する「小道具班」っていう三つの役職に分けました。

で、運営班の方は、ゼミリーダーの菊竹さんが主にゲーム全体の流れとか

開催日程や場所の調整をする仕事をやっていて、

そこに広告やTwitterの運営をする「広告班」と、

シナリオをまとめる「ストーリー班」に分かれてましたね。

 

村上

というチーム編成で作業の効率化を図ったわけだけど、

小林自身はどんな目標をもって進行管理をしてた?

 

小林

まずは自分の中には一番面白いものを作ろうっていう目標がありました。

 

村上

面白い、とは?

 

小林

面白いとは!?うーん、いざ言葉にするとなるとめっちゃ難しいですね。

 

村上

撤収後の振り返りの時にこの話をしたら良かったね。

自分たちは一体何を創ったのかって。

 

小林

私、物事を論理的に考えられないので、感覚的なものになるんですけど、

密室でしか味わえない空気感とかあるじゃないですか。

そうなるとやるしかないじゃないですか。

そこで生まれる謎の使命感を演出したかったですね。

 

村上

すごく単純な話をすると、脱出しないと全員ゲームオーバー。

てことは連帯責任であると。だから何が何でも脱出しなければならない。

取っ掛かりはそんなところなんだけど、アカの他人同士なのに徐々に仲が良くなっていくのはなぜだと思う?

ゲームをクリアするために集まっただけの人だから、仲良くなる必要はないはずなんだけど、

あれだけ皆で一緒に笑ったり悲鳴を上げたりして結束力が高まっていくっていうのはなぜなんだろう?

 

小林

そりゃもうやるしかないからじゃないですか?無人島に行ったとしたら、

自分が生き残るために周りの人を利用すると思うんですよ。つまり脱出ゲームとは無人島なんですよ。

うーん、理論的に説明するのが難しくて、こんな感覚的な話しかできないです…。

 

村上

でも実際に制作をしてるときは、ゼミ生たちから集めた感覚的なアイデアの断片を、

小林はホワイトボード上でフローチャートに変換して書き起こしていって、

5W1Hで体系的に情報を整理していったよね。その時は何を考えてた?

 

001

 

小林

ギミック班だけで14人もいたんですよ。

それをまとめるってなったらフローチャートが良いんじゃないかなって思ったんです。

時間と空間で情報を分けたら誰が見てもすぐに流れが理解できるじゃないですか。

言葉だけじゃ永遠に伝わらないと思ったので。

で、とにかくさっき言った「やるしかない」状況を作るための仕掛け作りを心掛けました。

 

村上

その「やるしかない」っていう心理について掘り下げてみようか。

これも授業の中で話したことだけど、例えば「お宝」があったとして、

これを獲得するために冒険に出る、というポジティブな状況があるとするよね。

何かが欲しいからそこへ向かうという能動的な形ね。

でも脱出ゲームってネガティブな状況からスタートするよね。

 

小林

ここから出ないと死ぬぜ、ってなりますね。

 

村上

そう。宝箱って、欲しいけど要らなければ行かなければいい。

でも脱出ゲームって逃げなきゃ死ぬ。これって強制なわけだよね。

後ろから何かが迫ってくるとか、締め切りに追い立てられるとか。

人って本来強制されることを嫌うはずなのに、なんで面白いのかな?

 

小林

ゲームだからじゃないですか(笑)

 

村上

それを言っちゃぁ…(笑)。つまりお宝を目指す場合は、取得できたら01になるわけだよね。

脱出ゲームはネガティブスタートだから-10になるだけ。

諦めたらゲームオーバーだし何も得しない。なのになぜ面白いのかってこと。

 

小林

結果が分かってるからじゃないですか?その結果に対する過程を楽しむのが脱出ゲームなんじゃないですかね。

お宝を求めるのは、それが結果なわけですけど、その過程に色んな事があるわけですよ。

蛇に噛まれたりジャングルで迷ったり。

ポジティブな目標であっても、そんな小さなネガティブサイクルの結果と過程の繰り返しが冒険の醍醐味だと思うんですよ。

だからネガティブなものがそもそも面白いって考えられるし、ゲームはそこを楽しめるかどうかじゃないですか?

 

村上

なるほどね。じゃあ、ちょっとゲームの中身の話をしてみようか。

謎や仕掛けを考える時の印象に残ったエピソードとかある?

 

小林

まず、そもそもどんなギミックを作っていくかとか、

何を使うかっていうのを、どこからどうやって決めていけばいいのかが分からなくて、

とりあえずこういうシチュエーションのときにこういうのがあったら楽しいよね、ていうのを漠然と決めていったんですよ。

そこが決まったら、デザイン班、ギミック班、小道具班とで分かれて、

謎解きの内容とビジュアル面っていうそれぞれの立場からアイデアを出し合っていきましたね。

で、二つの部屋を使うってなったときに、じゃあどうやって二つの部屋を使い分ければ盛り上がるかなって考えていて、

そこがゲームの軸であって同時に最大の見せ場になるように設定しました。

ストーリー班の人にもアイデアを出してもらって、

他の小さなギミックが軸を盛り上げるための伏線になるように考えて散りばめていきましたね。

仕掛け人っていうかゲームの進行役の人が分断されたらプレイヤーは焦るんじゃないか、とか。

下の階に降りた時に急に空気感が変わったらドキドキするよね、とか。

そういうところを決めていって、これに合わせてギミックの雰囲気も変えたら二段階でゲームを楽しめるんじゃないかって考えました。

 

村上

密室型の脱出ゲームで一番盛り上がるのって場面転換の瞬間だと思うのね。

小部屋だけでゲームを進行させるんだと思っていたら、途中でカーテンが開いてそこで新たな展開が発生したり、

壁だと思ってたところに隠し部屋が出現したり。

狭いと思ってたものが広がっていく感覚ってかなりインパクトあるよね。

 

小林

今回でいうと、サーバールームにプレイヤーが一人だけ閉じ込められて、

ガラス張りで防音の密室の中と外でモールス信号を頼りに謎を解かないといけないとか。

 

村上

確かに、空間の使い方はすごく良かったね。全く無駄なく使えるものは全部使うって感じで。

002

 

小林

そうですね。この部屋だけで終わると思わせておきながら、

地下室に降りる真っ暗な螺旋階段が出現したら、それだけでテンション上がりますもんね。

しかも降りたその先には不気味な実験室と、台の上には死体が置いてあったり。

 

村上

作り込みも照明効果もちゃんと演出されていて、あれは素晴らしかったね。

普通ならこれがクライマックスだと思いきや、更にもう一段階。

しかもここからは恐怖演出の畳みかけになるし。

 

小林

そこから元の部屋に戻ってクライマックスを迎えるわけですけど、

その時ゲームの残り時間はだいたい2分くらいになるようにうまく誘導していきます。

本当に一秒たりとも休まる隙を与えない設計になっていて、

常に全部の謎解きがギリギリの状態で進行するから絶対に飽きないと思います。

 

003

村上

企画の立ち上げ当初、学生たちの間でホラーストーリーをやりたいって言った時に、

「怖がらせたいのか謎解きをさせたいのかどっちなの?」て話したことがあったよね。

怖すぎるとストーリーの進行に集中してしまって謎解きの面白さが半減するんじゃないかと思って。

でもそこをうまくバランスをとってプレイヤーのテンションを制御してた点が素晴らしい。

 

小林

最初の部屋で謎解きをしてるときってあまりホラーテイストはないんですよ。

スタンダードな謎解きゲームになってるっていうか、

まずは謎を解きながらそこで起きていた出来事とか世界観を探っていくって感じで。

どちらかというと謎解きそのものに集中してる状態ですね。

で、地下に行った時って、ホラー風ではあるんですけど、

プレイヤーとしてはワクワク感の方が大きかったんだと思うんです。

「わ!新しいところ来た!」って。そこでテンションが上がり切った時に急にホラーテイストになっていくんですよ。

悪霊登場で恐怖感を盛り上げる演出があるわ、

YouTuberは置き去りにされるわで、畳みかけるような恐怖演出の展開があって。

 

村上

でもここで凄かったのは、ストーリーや演出が入る事によってゲームが分断されることなく

ちゃんと両立して進行していくってところ。

ここが今回のゲームの最大の見どころであり評価ポイントかなって思ってる。

 

小林

そう言っていただけると嬉しいもんですね。

 

村上

ものすごく盛沢山の内容になってたね。

最初にテストプレイしたときに、プレイヤーの人たちから「謎の数が多すぎる」っていうフィードバックがあって、

その時にみんなは「じゃあ問題数を減らそう」って話が出てたしね。で、そのときに俺が言ったの覚えてるかな。

「絶対に数を減らすな」って。学生が作るものにあまりああしろこうしろって言いたくないんだけど、

ゲームを作る時にこれって大事なポイントになるから、あえて言わせてもらった。

あの密度感が今回のゲームの面白さの根幹になるから、

そこは死守して、今度は難易度を下げたりヒントを出すタイミングを再設計してとにかくゲームのテンポ感を守りなさいと。

そこの考えなしに単純に謎の数を減らすと、密度が薄まってなんとなくダラダラ進む展開になってしまう。

これについては皆かなり頭抱えてたね。「無茶な事言いやがって」て思っただろうけど。

YouTuber役もヒントを出すタイミングとか必死で考えながら、

矢継ぎ早に起こる色んな出来事を制御しつつ進行しなきゃいけないもんだから相当大変だと思うけどね。

本人は問題が減ったら少し負担が減って集中しやすくなると考えてただろうけど、

でもそこは絶対に譲っちゃいけないところだから、絶対に変えさせなかった。

 

小林

でもそのお陰であれだけ密度の高い恐怖体験につながったわけだし、結果的には良かったと思います。

 

村上

小林も今後ゲームを作っていくときに、揺らいではダメっていう部分をまずしっかり作り込むところを持っておかないとね。

とりあえず動くゲームっぽいものを作るのは簡単だけど、

面白いものを作ろうとすると本当に心を鬼にしないとダメな時もあるから。

それで工数が圧迫してスケジュールが押すようなら装飾の部分を捨てればいい。そこは遊びの本質ではないし。

 

小林

でもテストプレイしないと分からないことがたくさんあったんで、

しんどかったですけど回数重ねて良かったなって思いました。

一週間の間に10回以上はテストをやってましたね。

 

村上

人の動きや感情を計算してレベルデザインをすることの重要性が理解できたし、

ゲーム作りの基本を身に付けられた意味ではすごく良かったと思うよ。

というわけで、まずは半期に及ぶ脱出ゲーム制作大変お疲れ様でした。

 

小林

はい、ありがとうございました。

004

脱出ゲームを制作したゲームゼミ2年生

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2020年2月15日  学生紹介

ゼミ通ヒーローズvol.18 小林鈴果と「脱出ゲーム」について語るの巻 Part1

ゼミ通

ゼミ通ヒーローズ Vol.18

 

今回のゼミ通ヒーローズは、村上ゼミ2年生の小林鈴果さん(京都芸術高等学校出身)をピックアップします。

 

001

脱出ゲームの謎解きの仕掛けを調整する小林さん

 

村上

恒例の質問からなんだけど、小林はそもそもなんでこの大学に来たの?

 

小林

実は私、キャラデのオープンキャンパスに来たことないんですよ。

元々周りの友達に連れられてアートプロデュース学科を見に行っただけで、

他はどこにも寄らずにそのまま帰りました。

なんかアートプロデュースの先生の話がめちゃ面白かったんですよ。

 

村上

学科長の伊達先生ね。あの人面白いよね。

 

小林

そう、その方です。

作品を観て、それがどういう風に見えているのかとか、

私もそういう話が好きだし、とにかく先生の話が面白くて引き込まれちゃって、

そこで初めて大学って楽しいなぁーって思ったのが切っ掛けです。

 

村上

キャラデの話が出てこないけど…。

 

小林

アートプロデュース学科が面白すぎて目に入らなかったです(笑)。

 

村上

すぐ隣であれだけ派手に装飾をして大勢で賑わってたのに、

目に入らないってことはそもそも興味がなかったってことなのかな。

 

小林

はい(笑)。最初は全く興味なかったです。

高校生の時はあまり進路を真剣に考えてなくて、

周りの子がみんな京都造形受けるって言って、

キャラデを受ける子も何人かいたから、じゃあ私もーみたいな感じでした。

 

村上

アートプロデュース学科は受けなかったの?

 

小林

漠然としてましたけど、実際にやるなら制作の方をしたかったんで。

高校では絵とかデザインを学んでたし、その流れでキャラデにしました。

本当に深く考えてなかったですね。

 

村上

一年の時の「ゲーム制作基礎」の授業に小林がエントリーしてて、

ちょっと意外な感じがしたのを覚えてる。

ゲームに興味がなさそうに見えたから。

ゲームが作りたいんじゃなくて美少女キャラを描きたい人なのかなと思ってた。

 

小林

一年の時も特にやりたいことが見つからなくて、なんかフワフワしてましたね。

 

村上

それでもグループワークになるとチームをまとめたりして、しっかりやってたから、

ゲームゼミに来てくれたら嬉しいなぁとは思ってたんだけどね。

で、その時は授業の課題でアナログゲームを作ってたけど、

実際にやってみてどうだった?

 

小林

楽しくなかったです(笑)。

私本当にグループワークが苦手なんですよ。

人と話すのがダメだし、もうどうしたらいいか分からなくて…。

 

村上

たまに「あ、無理してるな」って思う時はあるけどね。

そこまで苦手とは思わなかったな。

ゲームゼミはチームワークが大事と詠っていたにもかかわらず、

そこへ来たのはどうして?

 

小林

なんか面接みたいですね。

その時はアニメとかCGにも興味がなくて、

最初はプロデュースゼミを考えてたんですよ。

アートプロデュースが本当に面白かったんで。

でも色々考えてやっぱり「何か作りたいやん!(笑)」てなってゲームにしました。

 

村上

何か作りたいやん!ていうか消去法やん(笑)。

で、デジタルゲームを作りたかったの?

 

小林

いや、私はアナログゲームの方が好きですね。

 

村上

なるほど。ではその流れで、今回はその究極のアナログゲームともいえる

「脱出ゲーム」を作ったので、その話をしていこうかなと。

ちなみに、授業で脱出ゲームを作ってるって言ったらゲーム開発会社の人とか

他の教育機関の関係者がみんな「すごくいいですね」って言ってくる。

教育として得られるものが大きいからぜひ自分たちもやりたいんだけど、

作り方が分からないし、そもそもチームを束ねることができないって(笑)。

 

小林

いやホント難しいですよね。

でも皆が頑張ったお陰で、すごく面白いものが出来たと自負してます。

だって、めっちゃ良くないですか?完成度が高すぎて私は感動してますよ。

今日はそこを詳しく話せば良いんですよね。

話しながら感極まって泣いちゃうかもしれませんよ(笑)。

 

村上

じゃあ今年の脱出ゲームの内容を紹介してくれる?

 

小林

はい、YouTuberと一緒に曰く付きのアパートに潜入するっていう設定なんですけど、

その部屋には秘密の実験場がありました。

そして謎の少女の霊がアパートにとりついていて…

というストーリー設定になってます。

 

村上

YouTuberとカメラマンの仕掛け人コンビと一緒に

プレイヤーが部屋に閉じ込められるのね。

 

小林

ゲームの特色としては、

最後に脱出するときの分岐が大きかったかなって思ってます。

今回は最初に謎解きをする部屋と、

その地下室という二つのシチュエーションが登場します。

終盤で地下室から元の部屋に戻るんですけど、

YouTuberだけ地下に取り残されてしまいます。

それに気づいた時にはもう制限時間ギリギリの状態。

で、YouTuberを助けるために地下室の扉を開けるか、

それとも見捨ててカメラマンと共に出口の扉を開けて脱出するかっていう分岐があります。

 

村上

このゲームの「体感するからこそ味わえる面白さ」って何だろう?

 

小林

その場の緊迫感ですよね。

映画とかデジタルゲームと違って、知らない人同士で対話をするとか、

仕掛けに触れて実際に動かすとか、自分自身が肌で感じられる臨場感とか

緊迫感があるじゃないですか。なんせ60分経ったら殺されますからね(笑)。

その作り込まれた空間にいるだけで

「やべー、殺されるー!」っていう気持ちも高まると思いますし。

 

村上

よく授業の中で映画とゲームを比較して話す事があったね。

映画の中で登場人物が殴られたら「痛そう」ってなるけど、

ゲームの場合は自キャラが殴られたら「痛い!」って言うよね。

その没入感の違いが映画とゲームの差だと。

それでも結局はデジタルゲームの場合は殴られてるキャラは

モニターの向こう側に存在するわけで。

これに対して脱出ゲームの場合は本当に自分自身が体感するから、

お化け屋敷の感覚に近いのかもしれないね。

特に今回はホラーストーリーだったし。

一階の防音の部屋でゲームをやってるのに

3階まで悲鳴が聞こえてきたっていうのは凄いことだよね。

あのお客さんのボルテージの上がり方を見てると、

本当に苦労して作って良かったなって思う。

 

小林

ほんっとそうですよ。

今回はこのゲームを作るアイデア会議のときに、

ホラーゲームの形になる前段階で色々案が出てたんですよ。

一番人気があったのは流行のタイムリープもの。

あとは火葬場を舞台にして棺桶の中に閉じ込められた状態で

焼かれる前に脱出するとか。

あと監獄に閉じ込められた囚人が別々の監獄にいながら

情報共有とか協力し合いながら脱獄するものとか。

そんな中で私が出した「訳アリ物件から訳あって脱出」っていう言葉が

人気があって、結局それに決まったんですよね。

 

村上

内容が決まる前に「訳アリ物件」っていう響きが魅力的だからこれで決まり!

てなって、そこから具体的な話が始まったね。

脱出ゲームで有名なスクラップさんのコメントにもあったんだけど、

「面白いゲーム」を作るんじゃなくて「面白そうなゲーム」を作ることを目指すっていう話が印象的だった。

脱出ゲームって予告編が作れない、ていうか作りようがないから、

とにかく体験してもらわなきゃ伝わらない。

となるとタイトルのキャッチーさとポスターの魅力でPRするしかなくて。

 

小林

ゲームの性質上、内容は一切極秘にしないといけないから、

広告媒体のインパクト勝負しかないですもんね。

 

村上

そう考えると、外側を先に作って、

そこから中を作り込むという方法で良かったんだと思う。

で、後期の授業全部を使ってゲームを作ったわけだけど、

それでもやっぱりスケジュール的には一杯一杯だったね。

 

002

脱出ゲームのポスター

 

小林

始まる時は後期全部使って制作すると聞いて、正直「長い」と思ったんですよ。

でも全然話はまとまらないし、いつになっても全貌が見えてこなくて…。

ゼミ生が17人もいるので、どうしてもまとまらないんですよね。

よく話す人と完全に聞く側に回る人に分かれてしまって。

 

村上

その様子を見ててだんだんこっちもイライラしてきて(笑)、

進め方をあれこれ梃入れしたけど、案の定スケジュールはギリギリで。

でも発言しにくい空気を作ったのはゼミ担当教員の責任だし、

プレッシャーを与えすぎたかなって少し反省してる。

 

小林

まぁまぁまぁ。次に活かせば良いんですよ。

 

村上

否定しないんか(笑)。

でもまあ、そんなこんなでゲームは完成はしたので、

ちょっと中身の話をしていこうか。

 

Part2に続く

 

 

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2020年2月13日  イベント

脱出ゲームが開催されました~訳アリ物件からの脱出~

ゼミ通ロゴ新

1月25日(土)26日(日)と、ゲームゼミの恒例行事である「脱出ゲーム」が開催されました。
今年のタイトルは「視聴者と訳アリ物件に行ってみた。~訳アリ物件からの脱出~」。

第二 A1

そもそも脱出ゲームとは、他人同士で一つの部屋に閉じ込められ、力を合わせて謎を解き、

制限時間内に脱出するというシンプルなルールの体感型アドベンチャーゲームとなっています。
これは京都にあるスクラップさんの「リアル脱出ゲーム」が有名ですが、

今やほとんどの大学に脱出ゲームサークルができるほどの人気のコンテンツとなっています。

 
今回我々ゲームゼミで制作した脱出ゲームはなかなかのホラーテイスト。
「恐怖」と「あそび」を融合させ、震え上がるようなストーリーと仕掛けで何度も来場者の悲鳴が上がっていました。作り手として、お客さんの悲鳴ほど嬉しいものはありません。

脱出ゲーム01

今回は二つの部屋を行き来しながら進行するゲームとなっており、

不気味なセットの作り込みもとても効果的でかなり高い没入感が得られるゲームとなっていました。

脱出ゲーム02 - コピー


ゲームは作ったら終わりではなく、形ができてからが本当のゲーム作りとなります。

つまりテストプレイを重ねて、絶妙なゲームバランスを目指して何度も何度も細部の難易度を調整していくのです。

今回は過去最高のテスト数を重ねたため、理想的な難易度のゲームとして完成させることができました。
脱出ゲームの詳細については、後日「ゼミ通ヒーローズ」でも掘り下げていく予定です。

集合写真

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