- 2013年7月9日
- 日常風景
気づきの場。学びの場。(6)年中さんと|こども芸術研究IV
月曜日2限、3限はこども芸術研究IVの授業です。
前期授業テーマは「ファンタジーをつくる」です。
こども芸術大学の子どもたちと学生たちで瓜生山を舞台に物語を展開します。
報告が遅れましたが、年中さんとの活動を報告します。
年中さんとは言え、目の前にいるのはこの間まで3歳。
つい最近4歳になったばかりか、これから4歳になる子どもたちです。
はじめは学生と関わりたいけど「イヤ」とか「したくない」とか言いながら
しぶしぶアトリエに来てくれた年中さん。
回を重ねる度に学生にちょっかいを出したり、膝に乗ってきたりするようになりました。
これから、いろいろな関わりを経験しながら自分とも旨く付き合えるようになるのでしょうね。
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年長さんのお山の住人さんとの手紙のやり取りを知っている年中さんも
お山の住人さんが気になっています。
そんなとき、年中さんのところにもお山の住人さんからお手紙が届きました。
でも、住人さんって、どんな人でしょうか。
そこで、年中さんにもお山の住人さんを想像して描いてもらいました。
年中さんもそれぞれ、愉しいお山の住人さんを思い描いているようですね。
けれど、お山の住人さんはお手紙だけで姿を見せてくれません。
(それはそうですよね。学生たちがお山の住人になってお手紙の返事を書いたり、
子どもたちに見つからないようにお手紙をポストに投函したりと、結構苦労して
いるんですものね。そう簡単に姿は現せないですよね。)
子どもたちは
「お山の住人さんは、こども芸術大学までの道が分からへんのとちがう?」と。
ということで…、お山のポストからの道しるべをつくろうということになりました。
道しるべは子どもたちの絵をお山に飾って、
それを頼りにお山の住人さんに来てもらおうということになりました。
道しるべの材料は5メートルほどある長〜いキャンバスです。
はじめて見るキャンバス地です。これは何だ?長〜い!と反応はOK。
「長〜いキャンバスください。」
「つなご!つなご!みんなの長いのつなごうよ」
「道になった」「線路や」と興奮気味。
「何色がいいですか。」 「白ください。」
「こうして色を重ねると、きれいな色になるよ」
「メイ ちゃんの大好きなものを描いて、お山の住人さんに見せてあげるの」
なっちゃんのマイブームの恐竜です。
バットの中の赤い絵の具に決まった量の水を混ぜて少しずつ赤の
変化を楽しんでします。絵の具研究所だそうです。
「あっ、きれい!赤い絵の具に黄色を入れたらくるくるした模様ができた。」
きれいな優しい絵の道しるべが出来上がりました。
次回はこれをお山に飾って、森の住人さんに見てもらう活動です。
この絵を頼りに森の住人さん、こども芸術大学まできてくれるでしょうか。
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次の週、瓜生山の道に子どもたちが描いた絵を展示しに行きました。
暫くすると、
お山に展示した絵を見た森の住人さんからお手紙が届きました。
4月からはじまった、子どもたちと学生で育んだ森の住民さんとの物語は
子どもたちの想像の世界のなかで大きく膨らみました。
この物語が今後どのように変化して行くのか、とても楽しみです。
前期こども芸術研究IVは今年はじめて年少、年中、年長とそれぞれの年齢に合わせた
造形プログラムを学生たちが主体的に考えて実施してきました。
授業外の少しの空き時間にミーテイングをしている姿や材料の準備をしている姿を
学科実習室でよく見かけました。保育者として成長している頼もしい姿でした。
それでも、子どもたちの前に出るとハラハラドキドキです。
そんなときは、いつも子どもたちが後押しして助けてくれましたね。
今回の授業報告は9月初旬にこども芸術大学で展示発表をしようと計画中です。
学生たちの学びを是非、ご覧ください。
(梅田美代子:教員/イラストレーション・グラフィックデザイン)