こども芸術学科

【特別講義】「子どもデザイン教室」和田隆博先生

親と暮らせない子どもに、デザインの力を通して、未来を切り拓くことを教える「子どもデザイン教室」代表理事の和田隆博先生にお越しいただきました。

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和田先生は、長年グラフィックデザイナーとして活躍されていました。現在は、親と暮らせない子どもの学習支援・学資支援・養育支援の取り組みを行っています。

(1) 学習支援:創作活動を繰り返すことで、幼少期から長期的に自立する力を育てる「子どもデザイン教室」
(2) 学資支援:子どもたちと作ったキャラクターを企業に販売し、自立資金を貯金する「子どもデザイン基金」
(3) 養育支援:〈暖かなごはんと夢みる未来〉をテーマに、6人の子どもを育てる「こどもサポートホーム」

 

親と暮らせない子どもは、児童養護施設や里親宅で生活し、18歳になったらそこを出ていきます。何の支援もなく、18歳で、家族の支援もなく、いきなり1人で生活しなければならない、ということになります。

 

「子どもデザイン教室」の、「子どもデザインレッスン」では、1年のカリキュラムのうち、前半は、1つのキャラクターを考え、デザインします。その後、商品を作り、商品パッケージの値札もデザインし、年末のバザーで商品を販売、その収益を子ども自身の自立支援金とます。

また、「子どもキャラレッスン」では、こどもがデザインしたキャラクターを企業が採用し、その利益の25%を子どもの自立資金にし、残りの75%を「子どもキャラレッスン」の費用にします。採用されたキャラクターは、名刺や企業の商品パッケージに使用されています。

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特別講義の中で、子ども達に、わかりやすく考え、議論することを教えるために、さまざまなゲームを実践している、というお話がありました。例えば、みんなで、動物の名前が書かれたカードを引き、動物の絵を描く。それを各々で壁面に貼り、自分が描いた絵について、使った色や形、特徴などを相手に話す。話を聞いた人は、その絵がどれかを当てればポイントが入るというもの。これは、相手に伝える、というプレゼンの初めの第一歩の練習につながります。

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また、活発に議論してもらうために、陣地取りゲームの要素を取り入れて「議論の視覚化」を行うことを意識したゲームなども実践しているそうです。(「今日のおやつの時間に食べたいもの」というテーマで、4人で議論を行い、相手のプレゼンを聞いて、自分のいいと思った陣地に付箋を貼っていく。たくさんの付箋を獲得した人の勝ち。)

 

そして、デザインでの支援はもちろん、「こどもサポートホーム」という小規模住居型児童養育施設を立ちあげ、現在6人の子ども達と生活されているそうです。

 

和田先生が、現在の取り組みについてお話してくださる中で、今まで出会った子ども達との対話や、エピソードを語ってくださいました。その中で特に印象に残ったのが、以下のエピソードでした。

「あるときね、小学生4年生の女の子が「どうして生まれてきたんやろ」と言ったんです。その言葉を聞いて、小学4年生でこんなことを考えている子どもがいる。そういう子が「生まれてきてよかった」と言えるようにしていくために、これからも支援していきたいと思ってるんです。」

 

和田先生は、デザインを通じて、子どもの支援を行っています。こども芸術学科には、芸術を通じて、こどもに寄り添うことができる学生がたくさんいるので、その力を持って、子ども達がよりよく暮らせる活動に役立てていけることを願っています。

 

■オープンキャンパスのお知らせ■■■■■■

入試対策オープンキャンパスは7月20日(土)7月21日(日)に開催します。詳細はコチラ

13学科のブースが設置され、出入り自由となっており、こども芸術学科では石鹸つくりワークショップも行っています!

AO入試対策として、是非お越しください。

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