文化財保存修復・歴史遺産コース

2022年度前期フィールドワーク授業を紹介します!

皆さん、こんにちは。

歴史遺産学科の宇佐美智之です。

私は本年度の4月に、歴史遺産学科に着任いたしました。

新入生の方々と同じく(?)、まだキャンパスのどこに何があるのかも覚えきれていない状態で、周辺のおいしいレストランやカフェなんかもほとんど知りません。この瓜生山の地を満喫するにはもう少し時間がかかりそうです。しかし、日々の授業や生活の中では在学生の皆さんと交流する機会が増えてきて、歴史遺産学科の和やかで明るく楽しい雰囲気は存分に味わうことができています。

 

私の研究は、GIS(地理情報システム)と呼ばれる専門的な情報技術を活用し、古代集落・都市について探るというものです。これまで、中央アジアのウズベキスタン・サマルカンド(ソグディアナ)で、シルクロードの都市遺跡の調査研究に取り組んできました。また日本列島の弥生時代から古墳時代についても、強く関心をもって研究を進めているところです。

 

ウズベキスタン・サマルカンドでの遺跡調査の様子

 

調査を行っている遺跡(カフィルカラの城塞)の外観

 

 

サマルカンド中心部の様子:3つのマドラサが立ち並ぶレギスタン広場

 

 

ここでは、歴史遺産学科の仲先生、杉本先生とともに私が担当している「フィールドワークⅠ」という授業を紹介します。

「フィールドワークⅠ」は1回生が前期に受講する科目で、その名の通りキャンパスを飛び出し、京都の歴史遺産を探求していくというものです。

フィールドワーク先には、「京都御所」や「史跡元離宮二条城」、「東寺」など、一度は目にしたこと耳にしたことがあるような、超有名な観光地や世界文化遺産も含まれます。1回生にとって、京都の大学ならではと言える授業を入学後すぐ行えるのは、魅力的なことでしょう。が、もちろん、単に「観光客」としてそれらの場所に赴くのではありません。

 

京都御所でのフィールドワークの様子

 

 

この授業の大きな目的は、様々な文化財やそこに見え隠れする複雑な歴史(歴史的産物)の重なりを、自らの目で見て触れて体感することです。漠然と眺めなんとなく雰囲気を味わうだけでは、あまり学問的な意味はありません。自分なりの問題意識をもって観察する姿勢が求められます。そうした主体的な学びのプロセスを通して、歴史遺産に対する観察力を養い、保存・修復・活用を深く考えていくための重要な基礎を形作るのです。

とはいえ、それほど堅苦しく難しく考える必要はまったくありません。「なぜ〇〇はこんな形なんだろう」とか「▲▲がこの方向を向いている理由は何だろう」といった、素朴な疑問をもつことからスタートします。そして周りの仲間と意見を出し合いながら、そのひとつひとつに対する「最適解」を、自分なりに探っていけばよいのです。

このとき、自分にとっての新しい発見が得られること、自分の中に新しい知が蓄積していくことを、心から楽しむ姿勢が大切であると思います。

 

さて、5月20日の「フィールドワークⅠ」の授業では少し趣を変え、「大文字山」に登ってきました。言うまでもなく、単なる山登りが目的であったわけではありません。そこから京都盆地を広くのぞみ、特有の地理環境や様々な歴史的な場所の位置関係を鳥瞰的に捉えるのです。これも立派なフィールドワークと言えます。実際、皆で地図やスマートフォンを手にあれやこれやと指差しながらディスカッションを行えたことは、よい経験になったと感じます。

登る前はたいそう心配そうな顔をしていた1回生の方々、また異様にテンションが低かった杉本先生も含め、ご覧の通り皆で思い出に残るワンシーンが撮れました。

 

京都盆地を背にした集合写真

 

 

 

/// 6/5(日)8/27(土)・28(日)体験入学オープンキャンパス ///

 

京都芸術大学の授業を体験できるまたとないチャンス!

受験生は入試対策の絶好のチャンスです。

歴史遺産学科では、以下の授業を体験していただけます。

6月5日(日):「色が変わる芸術」の作り方と残し方 -七宝の世界-(←残席、まだあります。ぜひご参加を!)

8/27(土)・28(日):お茶の歴史・文化と芸術について学ぼう(←6/6以降Web受付開始)
<お申込みはこちらから。 ぜひご参加ください!>

https://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/oc06-05_08-27_28/

 

 

 

/// 歴史研究クラブ2022:シリーズ「京都の美の遺産を探る」を開催します!! ///

 

歴史研究クラブを今年度も開催いたします。「京都の美の遺産を探る」と題して、オンライン、対面での楽しいイベントを企画しました。第1回、2回の申込を絶賛受付中です。1回目と2回目のイベントは内容が繋がっており、両方参加していただくとより学びが深まります。2回目のイベントは定員(15名)がありますので、お早めにどうぞ!

 

第1回「江戸時代にタイムスリップ!京都の名所を探ろう(オンライン講義)」:6月18日(土)13:00〜14:30(→詳細記事)

第2回「平等院の建築・仏像・庭園:浄土の美を探ろう(現地探訪)」:7月24日(日)13:30〜16:00

 

<↓ 「歴史研究クラブ」に興味をお持ちくださった方、ぜひこちらからお申込みください!>

https://hs-lp.kyoto-art.ac.jp/attend/lp/course2022?_ga=2.25892349.1171454298.1652254042-130059758.1648711116

 

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