アートプロデュース学科

凝視と「のぞき」―近代小説と映画の作法:阿部公彦さん特別講義

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今回の講義のテーマは『凝視と「のぞき」』。東京大学准教授の阿部公彦さんにお越しいただき「みる」ということについてのお話をいただきました。

パトリック・ヘロンやフランツ・クラインなどの抽象絵画をいかに語るかという時に、そこに描かれている像の形態や色合い、その位置や筆跡からどういった印象を受けるか、どういった意味合いを読み取ることができるかということを皆で考え話し合ったり、実際に映画を見ながらその登場人物の画面に対する動きの方向や人物配置が、ストーリー展開に沿った観客の心理に働きかける作法が施されているということを解説していただいたりと、とても盛りだくさんな内容でした。

なかでも、冒頭におっしゃっていた「絵画や映画、小説や詩などは、そこに描かれている(映し出されている)もの以上に表現しよう/語られようとしていることがある」という言葉には、多くの学生が共感を示していたようです。

何かを得たい、吸収したいとする人の好奇心は、明らかにそこに提示されたものよりも、むしろその裏に隠されたものに強く惹かれる気がします。「凝視する」と「のぞく」は共に「みる」ことにまつわる行為ですが、それらに共通しているのは、謎に満ちた対象物に迫り、それを知りたい、明らかにしたいという人の欲望ではないでしょうか。
そう考えると、前々回特別講義で田川とも子さんがおっしゃっていた「分ける=分かる」の話にも通じるところがあるように思います。
ACOPをやっている1回生はもちろんのこと、懸命に卒論に取り組んでいる4回生にも大切な、作品を理解するうえで欠かせない、非常に興味深い講義でした。

 

 

 
 

▼以下、学生レポートより抜粋。

 

抽象絵画ははっきりと何が描かれているか分かりづらく、苦手意識をもつ時もあるのですが、その中に奥行きや動きなど空間を見出すのがとても面白いと思いました。そのように疑問をもって“凝視”するのがまさに鑑賞だと感じます。映像をそういった風に見たことは今まであまりなかったので難しかったですが、確かに表情の見えていない人物の心中を想像させられる場面や、行き先への展開を考えさせられる方向など、様々な要素がちりばめられていて興味深かったです。

 

人間って目で見た情報の方が理解、信じやすく、頭に残ることの方が多いと思います。でもその分、目に見えない部分、情報というのは置き去りがちのような気がします。普段から全く見ていない部分があったのだなと思いました。

 

今回の授業を聞いて、何事にも意味がある、意味を付けることができるのではないかと思った。わたしたちが経験を元に何かに意味や価値を付けている、そう考えると、意識してものを見ることで今まで見えなかった価値を見つけること、高めることができるのではないか。意識してそのものの意味を考えることが日常的に必要なのではないかと感じた。

 

 

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