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【学生インタビュー|vol.1】社会との接点をものづくりから。 きっかけを与える仕事を目指した、 イラストレーションコースの4年生にインタビュー!

京都芸術大学の高い進路決定率の秘密やキャリア実績を正直に公開したWEBサイトをこのたび公開!
それに合わせて、早期にキャリアを決めた学生にインタビューをおこなうことになりました🎉インタビュアーは、文芸表現学科3年生の出射さんです。
高校・大学時代は何を考え、どのように過ごしていたのか。本ブログを併せて読むことで、芸大進学への不安が少しでも和らぐことを期待します🤭

≫公開されたWEBサイトはこちらから

 


文芸表現学科・3年の出射優希です。3年生になるとふと頭をよぎるのが就職活動のこと。ちょっぴり不安な気持ちもありつつ、インターシップでの新鮮な発見を楽しんでいる今日この頃です。すでに「就活」を終えた先輩たちはどんな経験したのか、今回は情報デザイン学科の4年生にお話をお聞きしました!


 

 

 

大学生活と地続きに展開していく就活体験

 

今回、就職活動の体験談をお聞きしたのは、情報デザイン学科イラストレーションコースの4年生、濱岡峻里(はまおか・しゅんり)さんです。

 

 

情報デザイン学科

イラストレーションコース

 

濱岡 峻里(はまおか・しゅんり)さん

静岡県/常葉大学附属菊川高等学校出身

 

内定先 アパレル(EC)企業

職 種 コーポレートデザイナー職

 

 

濱岡さんは、ファッションECサイトのコーポレートデザイナーとして内定を得ています。

「柄をつくる。」というタイトルのポートフォリオを提出したことが、選考を進むきっかけのひとつになったようです。

 

 ✅ 濱岡さんのポートフォリオはこちらから!

 

↑ポートフォリオ表紙。大学生活を通して自身の個性や特性を見つけ、自分の柄にしていったという体感から「柄をつくる。」というタイトルが生まれた。

 

 

就活を3年生の冬から本格的にはじめたそうですが、大学で学んできたことも好きでやってきたことも、すべてがひとつに繋がっていたようです……。

4年間が自然とにじみ出る、大学での学びと地続きの、新たな経験として。

そんな就活体験をお話しして頂きました!

 

 

 

「何もなかった」高校時代を経て……

 

濱岡さんは「面白いことが好きなので、だいたい面白いことをしてましたかね。大学4年間をどう楽しめるかなって」と振り返ります。

 

ポートフォリオからも伺えるように、学内のプロジェクトに自主企画での展示や販売、尊敬する人のもとでのインターンシップなど、4年間とてもアクティブに行動されてきた方です。

 

 

 ですが、濱岡さんは高校時代の自分は「何もなかった」と言います。

 

 

  “中学生の頃は勉強が好きじゃなくて、高校はどこにいくんだってなったとき、絵が好きだったから美術科を目指すことにしたんです。
無事に入学はできたんですけど、もう、自分より絵が上手い人間ばっかりで、入ってみて絶望でした。

 

  もちろんデッサンじゃ勝てないし、造形能力もない。俺こんなところでやっていけるかなって思っていたときに、デザインの授業で初めて先生に一番いい評価をもらったんです。
それでデザインが面白いなぁと思い始めました。

 

 

その先生の勧めをきっかけにして、好きだった絵を最大限活かしてデザインの勉強ができるイラストレーションコースを選んだそうです。

 

はじめは自分に自信がなかったからこそ、ポートフォリオタイトルのように、大学でさまざまな経験から自分だけの「柄をつくる。」4年間へとつながったんですね。

 

 

 

先輩との会話から感じていた「社会との接点」をつくる必要性

 

そうして大学に入学しましたが、濱岡さんが2年生になると世はコロナ禍へ突入。


なかなか自主的に学外で活動しづらい時期が続くなか、濱岡さんはこんな想いでプロジェクトや制作を行なっていたそうです。

 

 

  一年生の頃から先輩と話しをさせてもらっているなかで、自分と社会との接点を考える機会って、このままだと就職活動しかないことに気がついたんです。
それはまずいなと思いまして。

 

  大学生って言っても大人ですし、自分が大学に通う意味をちゃんと考えてみたときに、与えられた勉強をしてるだけじゃもったいなくないか、と。
なので普段から、どんなふうに社会との接点をつないでいこうかは意識していました。

 

 

 そんな意識が特に現れたのが、3年生の終わりに同時代ギャラリーにて実現した企画展示「V I C2022」。

濱岡さんは、企画・展示の構成を行っていました。

 

↑目的となったのは、自分の軸を持ったまま、作品を通して社会とコミュニケーションを取り、それぞれが世界を広げていくこと。

 

自分一人で「社会との接点」を考えるのではなく、周囲の人も巻き込んでひとつのイベントにするからこそ楽しんで考えることができそうですよね。

 

 

  行動力っていうよりかは、昔からあるお人好しな性格がちょっといい方向に出てるんじゃないかな、とは思ってます。
嬉しいじゃないですか。人が喜んでたりとか、自分の方向性を見つけてくれたりとか。

 

  負けたくはないんですけど、みんなで全体的に成長していくのが嬉しくて。一人で頑張るよりも全体を引っ張っていきたい。
それができる人間はきっと少ないし、だったら自分がやればいいやと思っていました。

 

 

「人にきっかけを与えることが好きで、コーポレートデザイナーという方向性へ進んだ」のだとか。


「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」なんて言葉がありますが、ガクチカのために物語をつくるのではなく、やってきたことが自分の血肉になり、自分の言葉で話せるエピソードになっている。

 

それって、なんでも画面越しに見たり聞いたりできる時代に、当たり前ではないなぁと思うのです。

 

 

 

先生や友人が力をくれる存在に

 

他者との関係性を大切にした制作をして過ごしてきた濱岡さん。CDC(キャリアデザインセンター)を活用しての面接練習や、なんでも話すことができる先生との会話など、周りの人の助けも借りながら就活をしていったようです。

 

 

  イラストレーションコースは先生との距離が近いところも魅力のひとつだと思います。
選考のなかでプレゼンがあったときも、「全力で応援するよ」と言ってもらって、先生に相談しながら準備をしました。

 

  普段からダサいものをつくっていたらダサいってはっきり言ってもらえる関係性で。
距離が近い存在だったからこそ、就職活動でも一番相談しやすかったですね。

 

 

周りの人に助けてもらえること、協力してもらえることも、その人の重要な魅力だな、と感じます。

 

今回、濱岡さんの口から何度も出た「社会との接点」という言葉。
社会という言葉に含まれる意味は、きっと一人ひとり、シーンによっても違います。

 

だからこそ、自分自身の居場所を、自分の思う社会のなかに捉えなおせたら、就職活動を超えて、生きていける力になるのではないでしょうか。

 

 

↑ポートフォリオを見ながらお話を聞かせていただきました。ありがとうございました!

 

 

取材記事の執筆者

文芸表現学科3年生

出射優希(いでい・ゆうき)

兵庫県立西宮北高校出身

 

大学2年生のときから書きはじめた、この「KUA BLOG」での美術工芸学科に関する取材記事のシリーズが、学内外で人気を博してきた。
個人で記すノンフィクション作品も含めて、地に足をつけ、ゆっくり呼吸しながら取材対象を受けとめ、言葉を深く彫り込んでいくプロセスの切実さに定評がある。
「逸脱する声 京都芸術大学美術工芸学科教員展」(2022年6月に開催)では、文芸表現学科の学生たちが23人の専任教員にインタビューした声の数々も作品として発表されたが、そのうち最多の8人へのインタビューとそのまとめを担当した。

 

 

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