映画学科

【映画制作レポ】思い出の公衆電話

映画学科では、学生自身が授業やゼミで学んだことを実践する場として、15分から90分ほどの映画を製作しています。

今回ご紹介する作品のテーマは公衆電話です。

 

 

町の中の公衆電話、みなさん使ったことはありますか。

災害時は優先電話としてなくてはならないツールですが、その数は減り続けています。

2000年には約71万台ありましたが、2021年には約14万台と約80%の減です。

(NTT東日本・西日本調べ)

映画『あのね、、、』(仮)は、そんな電話にまつわる物語です。

 

この映画は、電話ボックスに宿る声を聞くことができる来舞(こま)を中心とした群像劇で、3年生が製作にあたっています。

この日は、京都市左京区で撮影が行われました。

朝から雨が降り続く中、機材をシートで覆います。

電話ボックスの中には、カメラに映らないよう小型のマイクを仕込みました。

公衆電話をお借りしての撮影は、もちろん利用者最優先です。

 

この物語は、グループの1人が「28年前の阪神・淡路大震災の際には公衆電話が役に立った」という話を聞いたことがきっかけになっています。

災害時だけでなく、あちらこちらの電話ボックスはこれまでたくさんの声を聞いてきました。

銀閣寺近くのこの電話ボックスの中でも、きっといろいろな会話が交わされたはずです。

「いま京都、もうすぐ帰ります」「おみやげ忘れないでね~」

「久しぶり、元気?」「大丈夫、ありがとう」

「つきあって下さい!」「ごめんなさい」

もしかしたら「子どもが生まれた」という弾んだ声や、「夜が明ける前だった、よく頑張った」という失意の声もあったかも知れません。

 

たくさんの人のたくさんの思いがつまった電話ボックス。

来舞の耳には、一体どんな声が聞こえているのでしょうか。

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