文芸表現学科

新サークル京都文芸座脚本部発足――第1回脚本読書会に潜入【学生ブログライターによる執筆】

こんにちは、文芸表現学科です!

 

学生ブロガーの3年生・關琳多郎です。

京都芸術大学に新サークルとして京都文芸座脚本部が発足しました。

京都文芸座脚本部の発足動機は、まず脚本を読み合う機会をつくることだと、顧問の山田隆道先生(京都芸術大学 文芸表現学科 学科長)は言います。

第1回脚本読書会の様子

 

京都芸術大学には小説を批評する授業はたくさんありますが、現在、脚本を批評する授業はありません。そうした現状に対し、京都文芸座脚本部が動き出しました。

 

活動の一環として、第1回脚本読書会が2023年4月28日に、京都芸術大学で開催されました。以降は月1回のペースで定期開催されています。

脚本読書会とは何か、どのようなかたちで話し合うのか、どんな意見が出るのか、その様子をお届けします。

脚本のサンプル。
脚本は柱、ト書き、セリフという3つの中心的な要素からなります。「○X公園・Y広場(朝)」とあるのが「柱」です
。柱はシーンの時間や場所を示すもので、各シーンのはじめに書かれます。次に三字下げで行頭をそろえて書いてある
のが「ト書き」で、これは人物の動きや場所の様子を表します。セリフは上記のように鍵カッコを用いて書かれます。

 

 

当日、京都芸術大学の学生が30名ほど集まりました。指定脚本は、2010年に「日本アカデミー賞」最優秀脚本賞に輝いた西川美和の映画脚本『ディア・ドクター』でした。

 

小さな村のたったひとりの医師・伊野を中心にした話です。過疎化が進む村にあって、村人はみんな伊野をたよっていました。しかし伊野は姿をくらましてしまいます。なぜ彼はそのような行動に出たのか。

人間らしい部分がユーモラスかつ繊細に描かれていると感じました。舞台は現代ということもあり、歴史的背景などの予備知識も必要なく、手に取りやすい作品です。

 

はじめに4、5人のグループで意見を出し合いました。意見を共有することで、新しい視点から再度作品を眺めることになります。「主人公は誰か」という話題では、自分とは異なる意見を聞くことができました。

 

物語を語る人間が常に主人公であるとは限りません。たとえば物語を語る人間でも、ある中心的な人物を傍観しているだけの場合もあります。こうしたことが本作についてもグループ内で話し合われました。

左から順に、顧問:山田隆道、部員:上村裕香(部長)、向坪のどか

 

後半は顧問と司会担当の部員を中心に議論しました。議論の雰囲気は、プログラムの厳密に決められた講義形式というよりも、司会者がそのつど自由に参加者へ意見をもとめるかたちのものでした。授業のような硬い感じではなく、ゆったりとした印象を受けました。

 

そこでは作品の良い点が共有され、それが深まることもあれば、ひとつの問題をめぐって意見がわかれることもありました。ですが解釈がわかれても、どちらも一方的に否定しがたいのが現状でした。このように脚本には多様な解釈が見られます。

 

読者は本を読んでそれぞれちがう考えをもつことがあります。

本を読んで抱く感情の原因は、本の中にあることもあれば、本の外にあることもあります。ある本を考えるのに他の本から考えの根拠をもってくることもあります。考えの根拠には、個人的な経験なども含まれるかもしれません。

 

脚本に対する考えは、こうした外の本にも開かれた豊かなものになります。読書会のおもしろい部分はひとつに、自分の観点が暗黙のうちに隠していた多様な視点に開かれること、と言えるのではないでしょうか。

 

脚本を読んだことのない人はもちろん、脚本を熱心に学んでいる人にとっても、グループで読み合う脚本読書会は貴重な機会になるはずです。

 

 

 

 

(学生ブログライター・關琳多郎)

 

 


 

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