アートプロデュースコース

ゴンゾ的にいうと、勝手にやれ。 塚原悠也さん特別講義

 

 

 

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今回お招きした特別講師は、パフォーマンスグループcontactGonzoのメンバーである塚原悠也さんです。contactGonzoのパフォーマンスの初期のものから最新のものまで、たくさんの映像を交えてのとても興味深いご講義をいただきました。

contactGonzoのパフォーマンススタイルは、「コストをかけずに作品をつくる」というアイディアがもとにあるといいます。舞台作品をひとつ作ろうとすると、スタジオ代、衣装代、小道具代、音楽の使用料、照明や音響などの人件費…と膨大なお金がかかります。対し、contactGonzoのパフォーマンスは着るものは普段着で、スタジオなどは借りずトレーニング(リハーサル)場所は公園や山。一般人が横を通り過ぎる中、明治天皇陵の参道で男性2人がどつき、殴り、取っ組み合っている映像もなかなかの異様さがありましたが、それをいわゆる「ダンス」のコンペにそのまま持っていき、どつき、殴り、取っ組み合いを舞台上で行う、あるいは伝統的な美術館で行う。そのことの意味は、「アートとお金」の問題、あるいは「伝統・正統」への過激さをはらんだアンチテーゼとして受け取ることもできます。

しかし一方で、塚原さんは「あそび」という視点をとても大切にされているのだと、今回の話の中を通して感じました。「お金をかけずにいかに遊ぶか」という好奇心が、普段見落としがちな身近な面白味を引き出す彼らのパフォーマンスの原動力となっているようでした。

学生たちも自分たちの日常を振り返り、考えさせられるところがとても多かったようです。

塚原さん、本日はどうもありがとうございました。

 

 

 

■以下、学生レポートより抜粋■

 

遊ぶとはなんなのか考えさせられました。やりたいことをやるということは誰にでもできるのに、やらない人が多く私もそのうちのひとりだと感じたので、これからはもっと勝手にやろうと思います。生きるということ自体が遊ぶということなのではないかと考えました。規則や法もその遊びのルールであり、それを楽しむことはできるのではないかと思いました。お金を使わずに、あるいは使って遊ぶというのもその行為を面白くさせるルールなのかなと思います。

 

塚原さんの行っていることは、飲食店のまかない飯のようだなと思いました。本来人前に出されるものではないけれど、ものによっては普通のメニューよりおいしい。

 

野生の動物たちのケンカをみているような、激しさの中に“声を発さない会話”のようなものを感じた。「おごそかな殴り合い」とても胸をくすぐるキャッチフレーズでした。

 

大学に来るまでは、お金と芸術の問題って、大切なことのはずなのに、見てはいけない部分、タブー視されている気がしていました。「お金を使わないこと」までもアートの一つにしてしまう、遊びのひとつにしてしまう発想の転換、すごく驚きましたし、でもそのようにすればいいのだと納得もしました。

 

 

 

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