- 2025年4月5日
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ゼミ通ヒーローズVol.80 松尾萌乃果・山本真結・横田杏華と『妖光の軌跡』について語るの巻 Part2
※「ゼミ通ヒーローズ」とは、京都芸術大学キャラクターデザイン学科ゲームゼミの学生の研究や取り組みについてピックアップし、担当教員村上との対談形式で綴る少々マニアックなブログ記事となっています。
Part1のつづき
「妖光の光」を制作した山本真結さん(左)、横田杏華さん(中央)、松尾萌乃果さん(右)
村上
今、「4回それぞれ違う会場で」という話が出たので、そのイベントについても話を聞いていこうかな。会場の雰囲気やお客さんの反応などなど。
最初が11月頭の学科展で、2回目が11月末に立命館大学で開催されたEGG(学生向けゲーム学会)、3回目が12月に原宿で開催された神ゲー創造主エボリューション、そして最後が3月に福井県おおい町で開催されたアートイベント「ARTおおい お~い!うららアート展」。
それぞれについて聞かせて。
学科展での展示風景
山本真由(以下山本)
学科展は初めての展示だったので、動きがおぼつかなかったり、「なにこれ?」みたいな反応の人が結構多かったですね。開催初日はあんまり手応えがなかったんですけど、その日のお客さんの反応を見て修正したお陰で二日目はだいぶスムーズに光を飛ばせるようになってました。
横田杏華(以下横田)
初めて外部の人に遊んでいただいたので、そこで改善点に気づくことが多くて…。早い段階で色んな人に遊んでもらうことの重要さを痛感しましたね。
神エボでの展示風景
横田
そして12月の神エボ(神ゲー創造主エボリューション)では、普段からゲームで遊んでる人とか、実際にインディーゲームを作ってる学生とか、ゲーム企業のクリエーターさんが大勢来てくださって、遊んでもらった時の反応がすごく分かりやすかったです。学科展だったらお世辞でも「すごいね!」とか言ってくれるんですけど、神エボの場合は、褒めてくれる人もいれば「うーん…」みたいな感じで極端でした。
松尾萌乃果(以下松尾)
ここでは投票制度があったので、みんな審査員みたいな目線で見てくれるから、いろんな意見がもらえてすごく新鮮でした。
横田
評価されるばかりじゃなくて、他の学生の作品もたくさん出品されてたので、こういう発想もあるのか?みたいな色んな発見がありましたね。
村上
日本最大のゲームコンペだし、全国のゲーム教育機関の中から選ばれたトップクラスの作品ばかりが並んでいて、既に受賞歴があったりSTEAMで販売してるような作品ばかりで、そういった意味ではすごく刺激にはなったんじゃないかな。
山本
近くの席には東京ゲームショウに出品してた大型筐体のレースゲームみたに圧倒的に目を引くものがあって、しかも通路が狭くて私たちの作品は奥まってる場所にあったのに、それでも奥まで遊びに来てくれて、そこそこ多く投票してもらえたことがちょっと嬉しかったです。
村上
通常のコントローラーとかキーボードを使ったゲームよりも、特殊デバイスとか自作デバイスを開発して、直感的操作での没入感を高める演出をみんな考えてたね。ゲームっていうより発明品の見本市みたいな。こういう大きなイベントに参加すると、来るたびにどんどん時代が変わってきてるんだなっていうのを実感するね。
おおい町での展示風景
村上
では最後におおい町での展示の話を聞いてみようかな。
松尾
これはおおい町の「ARTおおい お~い!!うららアート展(https://www.kyoto-art.ac.jp/news/press/1418)」というイベントで、町おこしの一環として芸術を根付かせる目的で開催されました。すごい豪華なお食事も用意してもらって、海も近くて景色も良くて。展示会場としても、パーテーション8枚分の一番大きいスペースをもらったのですごい壮大な展示をさせていただきました。ただ、そこのモニターと手の距離がこれまでのイベントとはまた変わるから、センサーが感知する手の距離が全然噛み合わなくて…。
山本
これまでのイベントとは違って家族連れが多かったので小さいお子さんにたくさん遊んでもらえたんですけど、小さい子の手だと本当に全力で手を開かないと反応しなくて、もうちょっと調整しとけばよかったかなぁって思いましたね。
村上
コントローラーで遊ぶゲームじゃないから、さすがに全年齢の手の大きさとか形に合わせて調整するわけにもいかないし、ある程度は仕方ないんじゃないかな…。
山本
でも学科展の時より反応は良かったかな?って思いましたね。
松尾
とりあえずアートに触れてもらおうっていう感じのイベントで、ワークショップとかトークイベントもさせていただきました。
山本
一箇所だけメインステージみたいな暗い部屋での展示だったので、異質感もあって注目されましたね。そもそもゲームが展示してあると思ってない状態で、しかも普通の遊び方とは違うゲームだったから尚更ですね。
松尾
自分たちのゲームは陰陽師をモチーフにしてたんですけど、おおい町は安倍晴明の末裔がいる町ということで、現地の人がめちゃくちゃ喜んでくれて、町長さんもすごい反応してくれました。トークイベントの中でもその話を取り上げてくださって、モチーフと地域の関連性が好評でした。
地元の新聞とかテレビの撮影も入っていて、なんかご縁続きのイベントだったので感動しました。
村上
一つのコンテンツに対して何回も展示をしてきたから、場所による反応の違いとか、そのたびに技術面でも表現面でも調整を余儀なくされて、かなり苦労したとは思うけど、その分得たものは大きかったんじゃないかな。
というわけで今から卒業制作に突入するので、今回経験してきたことを活かして、最後の作品作りに活かしていってくださいね。