アートプロデュースコース

【特別講義レポート】5/5開催 ゲスト:高橋英次氏

 

これまで花街とはなんだか閉鎖的なイメージで、「男衆」と書いて、「おとこし」と読むことすら知りませんでした。

 

今回の特別講義は宮川町で芸舞妓の衣装の着付けに関わる専門の着付師 高橋英次さんに、舞妓の衣装に関するお話と着付けを実演していただきました。

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高橋さんは、もと自衛官。映画『舞妓 Haaaan!!!』に影響を受け、アポなしで男衆の分野に飛び込んだとか。

京都出身であり、地元文化に触れたい盛り上げたいという思いもあったといいます。

着付師は女性もいるそうですが、帯を締めたりする際にかなりの腕力が要るため男性のほうがやりやすい仕事かもしれないということや、花街は上下関係のはっきりした社会で、意外に体育会系だったことが、元自衛官だった高橋さんにしっくり合ったというお話など、ASP学科の田中圭子先生とのトークは軽快にすすんでいきました。

 

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実際の着付けのワークショップでは、ASP学科2回生の岸上千秋さんがモデルとなり、解説も交えながら着付けを実演いただきました。

 

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着物と帯だけで重さ10キロにもなるそうで、15~20歳の女性の骨格にあわせて着付けしていく技は、つい見入ってしまうもので、今回は30分解説を入れながらやっていただきましたが、普段は10分ほどで着付けを行うそうです。

 

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今回の着物の柄は5月の季節に合わせて菖蒲、帯は藤の花でした。帯は6~7mと長く、しかし、お腹に巻く回数は2回ほど。テレビなどでよくある「あ~れ~・・・」とクルクル回って帯がほどけていく様は、あれはナイとのことです。笑

 

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帯留め=ぽっちりは、珊瑚やメノウ・宝石など贅沢に使ったもので、昔のものは現在では制作が難しく置屋さんに大切に保管されているそうで、舞妓さんたちはコケそうになった時も、お腹のぽっちりだけは傷つけないように言われているとか、いろいろ裏話も出てきて、別世界のイメージがある花街の様子を少しだけ覗き見したような気分になりました。

「裏方で花街を支える人々の若い世代が育っていないことが課題だ」、「男衆として窓口をつくりたい」と高橋さんの今後の思いも語っていただきました。

 

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ARTZONEの田中組。

すばらしいチームワークで『舞妓の美―花街を彩る匠の技―』を盛り上げています。

 

 

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朝日新聞記者の取材に答える田中先生。

今回のイベントの様子が朝日新聞デジタルに動画で掲載されています

こちらよりご覧ください →

 

またKBS京都のTV取材、京都新聞、読売新聞、など今後も取材が続きます。

 

 

『舞妓の美―花街を彩る匠の技―』

会期:5/25(日)まで 場所:ARTZONE

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【今後の関連イベント】

■2014年5月10日 13:00〜14:00
ギャラリートーク「京団扇と舞台小道具」 講師: 住井啓子(小丸屋住井十代目女将)
花街の夏の風物詩・京丸うちわや五花街のおどりの舞台小道具を製作する小丸屋住井の女将・住井啓子氏から、展示品の説明や花街との関わりについてお話いただきます。

 

■2014年5月11日 13:00〜14:00
ワークショップ2「舞妓の髪型」講師: 山中惠美子(山中美容室)
芸舞妓の結髪をはじめ、葵祭や時代祭、伊勢神宮祭主のお支度のご奉仕をされている髪結師・山中惠美子氏による、舞妓の髪型についての解説と髪結いの実演。

 

■2014年5月17日 14:00〜15:00
オープントーク「舞妓の美」 ゲスト: 宮川町の舞妓さん
宮川町の舞妓さんをゲストに迎え、花街衣装研究会のメンバー、京都造形芸術大学の学生とともに舞妓の美粧や花街の文化について考えます。

 

 

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