アートプロデュースコース

【特別講義レポート】1/15開催 ゲスト:渡川智子さん

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1月15日の特別講座は、現在、京都大学大学院生でASP学科の卒業生でもある渡川智子さんに特別講師としてお越しいただきました。

渡川さんは大学卒業後、2年間の社会人生活を経て、京都大学大学院に進学。大学時代から継続して美術館の教育普及活動の分野を専門に研究をされています。

講義では、昨年の約3ヶ月間、アメリカのチャールストンに滞在し、現地の美術館でインターンをした経験をもとに、日本の美術館との鑑賞スタイルの違いや、海外で生活(インターン)をすることの意義などについてお話しいただきました。

 

タイトルにもある『非日常の傍らで日常を見返す』行為についての話は特に興味深いものでした。

海外での生活やインターンというある意味で「非日常」の世界を体験し、新しい知識を身につけることも、「日常」という普段の生活の延長線上にあるものです。そこでの経験がもたらしてくれるのは、われわれにとっての「日常」は当たり前ではないということかもしれません。それは客観的に自信を振り返るチャンスと言えるでしょう。

 

ASP学科では、2回生以上になるとインターンへ行って、そとの世界を知ることを推奨しています。

インターンという短い期間の中では技術的な面を十分に学びとることは難しいかもしれませんが、考え方次第では技術以上のものを得られることが出来るはずです。
学生には今のうちに様々なことを体験し、人々と出会っていくなかで、広い視野を持って自身の生き方を探っていってもらいたいなあと改めて考えさせられる講義でした。

 

●インターン中に渡川さんから届いたレポートをこちらよりご覧いただけます。

https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=26184

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■以下、学生レポートからの抜粋■

 

言語的活動が活発であることが「日常」のアメリカで、教育普及のプログラムを体験することは日本の「日常」を考えるうえで有効だと思う。現在自分が身を置く「日常」がいかに“特殊”であったり、偏りのあるものなのか、もっと日常的に捉えられるようになりたいと思う。(3回生)

 

アメリカの美術館の教育普及活動の現状の話が一番印象に残りました。アメリカの美術館では教育普及活動が盛んに行われていて、展示室内に座り込んだり、大きな声で話したりしても問題にはならないということでした。日本では展示室で子どもを対象としたプログラムをすると、他の鑑賞者から「子どもを追い出せ」「うるさい」「美術館は大人が来る場所だ」という苦情が来るそうです。それに比べてアメリカでは展示室でのプログラムを当たり前のように行うことができ、他の鑑賞者も不快になったりしないということから、日本とは美術や美術館に対する接し方、考え方が異なるのではないかと思いました。(3回生)

 

非日常に出会うとついその衝撃ばかりが記憶に残りがちだけれども、これまでの日常へのフィードバックの方が自分の未来に大きな影響を与えていくのだろう。(3回生)

 

 

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