こども芸術学科

鏡のなかへ、絵のなかへ | 大学院修了展で見つけたこどもゴコロ

うちは朝からまた雪です。
しかし、この今年の卒業展のヴィジュアルイメージ、半袖やんか!
見ているだけで寒過ぎます..
 お楽しみ会 007
さて、2/21(土)大学院の修了展のオープンに先駆け、昨日は院生の作品合評会がありました。まだ展覧会本番前なのですが、その中から、こどもゴコロを大切にしている3人をチラッとご紹介します。
お楽しみ会 008
まずは、人間館A棟にある芸術館。
ギャルリ・オーブの上の2階になります。
ぼくの担当だった芸術教育領域の黄郁庭さん。黄さんは台湾出身で、大学院に来る前は小学校の先生をしていたことも。でも、もっと制作を学びたいとご両親にも内緒でこっそり入学試験を受け、日本への進学を決めてしまいました。
 お楽しみ会 009
でも、その甲斐あって笑、「ミラー・ミラー」という絵本が完成しました。黄さんの絵も、努力家なのですごく上達しました。
いつもお姉さんと比較されて育ってきた黄さんは、子どもの頃に感じていた末っ子の気持ちを思い出しながらファンタジーの世界として表現しました。
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ちょっとだけストーリーですが、主人公の女の子は5人兄弟の末っ子。いつもお兄さんやお姉さんに憧れて真似をするけど、小さいことが理由で誰もまだ認めてくれないことが不満です。そんなとき、魔法使いのルシファーが現れ、主人公の女の子は鏡のなかの世界に行きます。そこではなんでも自分の思い通りに出来るという魔法の世界。そのうち、女の子はルシファーと交わした、ただ一つの約束を破ってしまいます..
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後はどうぞ展示会場でホンモノをご覧ください笑。
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そして、黄さんの友だちの許心瑜さん。
台湾人でも忘れかけている大切なことば、形容詞を、大きな台湾の地図にスタンプで押しながら学べる作品にしました。全部で15個のスタンプを一つ一つの押し、その言葉の発音と意味を許さんと黄さんに教えてもらいながら、自然と台湾の地名や言葉に会話が弾みました。
お楽しみ会 011
許さんの担当教員、佐藤先生と許さんのツーショットです。
 お楽しみ会 012
続いては、未来館の2階です。
赤松加奈さんはペインティング(油画)領域です。
赤松さんには2年前、長野県茅野市でクレヨンづくりをしたときにティーチング・アシスタントをしてくれた縁があります。
 お楽しみ会 015
昨年、イギリスに行った時にみた小学校がモチーフとのこと。
遊んでいた女の子の髪の毛が馬のしっぽのように揺れていたそうで、そこからイメージが膨らみ、馬の作品が生まれました笑。
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本棚のカラフルなファイル、バスケットゴールや床に引いてあるラインが立体に置き換わって、展示空間に入ると、丁度絵のなかに入り込んでしまったようです。赤松さんの着ている服も、空間によく似合っています。
 お楽しみ会 014
卒業制作の時には油彩平面だった赤松さんの作品。誰かを動物に例えて表現するところは変わっていませんが、今回は立体と絵画のあいだを大胆に挑戦しています。
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部屋の光がとてもキレイで、こんなアトリエあったっけ?と聞くと、部屋を掃除し、床にこびりついた樹脂を剥がし、塗料を塗り、1週間かけてピカピカにしたとのこと。そういうところが、さすが大学院生です。
 お楽しみ会 013
この部屋は、晴れの日に行くのがいい感じです!
以上、こどもゴコロで選んだ、院生オススメスポットでした。
こども芸術学科の卒業展と合わせ、ぜひ大学院生の修了展も楽しみにご高覧ください!
会期は2/21〜3/1まで!!
(森本玄:教員/絵画)
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