- 2015年6月25日
- 日常風景
【教員紹介】第2弾:都築潤 先生(前編)
「情報デザイン学科をもっともっと知ってもらいたい!」
ということではじまった、インタビュー企画の第二弾をお送りします!!
今回は、”イラスト教育の第一人者で日本イラストレーション界のリーダー”、
都築潤先生のご紹介です。
主な授業:イラストコース2年次「思考・発想・表現力基礎」
主な授業:イラストコース3年次「構想計画—ヴィジュアライズ—」
イラストレーターとしてさまざまなメディア・分野で引っぱりだこの都築先生は、
作品や著書の面白さだけではなく、個性的なキャラクターも魅力の一つです。
(都築先生の詳細なプロフィールはこちらからご覧いただけます。)
今回のインタビューでは、イラストレーターとしてのプロフェッショナルなお話から、
気分転換の方法や子供のころのイタズラといったプライベートなことまで、
リアルで興味深いお話がたくさん飛び出して来ました。
充実したインタビューの様子は、前・後編に分けてお送りします。
まずは前編をどうぞ!
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話し手|情報デザイン学科 教授 都築 潤
インタビュアー|イラストコース 3年生 右松 理 さん(写真 右)
イラストコース 3年生 正木 ゆうひ さん(写真 左)
右松(以下、み):早速ですが、先生は何年前から情デで教えているんですか?
都築(以下、つ):5年前の2010年ですね。
正木(以下、ま):5周年おめでとうございます!
み:情デに来る前は何をされてたんですか?
つ:2005年に予備校の先生を辞めて、ここに来る直前はフリーランスのイラストレーターでした。
み:予備校の先生もされてたんですか?
つ:すでにイラストレーターでもあったんだけど、予備校の講師も18年間やってました。
み:長い!じゃあ大学を卒業されてから、一回も会社には就職されてないんですか?
つ:そうですね。ずっと先生をやっていたから、一般的な会社への就職とはちょっと違ってたかな。でも大学卒業のときには就職活動をして、ゲーム会社に受かってたんですよ。結局そのゲーム会社を断ることになって、僕は電算処理のアルバイトを1年くらいやって、ほどなく予備校の方に呼ばれました。それからずっと絵の先生をしてました。
み:昔も今も先生をされていますけど、情デの授業ではどんなことを教えていますか?
つ:ここに来てすぐの時は、1年生に向けて、自分の設計した絵の基礎トレーニングをやってました。デッサンや基礎の平面構成の経験がない人が多いから、予備校の経験を生かしてデザインの基礎的なことをやって欲しいというオーダーがあって。同じ授業を多摩美でもやってました。不思議なことに同時にふたつの大学に呼ばれたんですよ。
み:大変ですね!東京と京都を行ったり来たりで。
つ:今も両方やってますが、その頃の方が大変でしたね。
み:今はどんな授業をされていますか?
つ:2年生へは学科共通カリキュラムの授業をやって、3年生のはほとんど自分で設計していますね。他の先生の課題と自分のやりたいことを混ぜ合わせて。
ま:大学以外のお仕事で、イラストを描かれていると思うんですけど、イラストレーターの仕事と大学と、どっちが楽しいですか?同じ感じなんですか?
つ:いや、違いますね。比べたことなかったなあ。実はもともと、あんまり絵を描くのが好きじゃないんですよね。絵でもデザインでも、見て話をするのが好きなんでしょうね。大学の授業はそういうことばっかりだから、違う感じで楽しいかな。
み:ではなぜイラストレーターになろうと思ったんですか?
つ:最初はなろうと思わなかったです。中学くらいの時からすでにわりとイラストには詳しくて、特に日本のイラストレーターとか作品を覚えるのが趣味で。そのときに講談社の「フェーマススクールズ」(絵の通信教育)に入ってて、アメリカのイラストレーター紹介のパンフレットをもらって、海外で有名なイラストレーターの名前と絵もおぼえたりしてました。なので、中学の頃には「イラストって一体どういうものなのか」が大体わかってました。例えば今は、アニメとか漫画コミックの世界の人たちがイラストレーターをしているのって当たり前だけど、昔はそういう人たちがイラストレーターを名乗ってなかったし、イラストレーションの仕事もしてなかったので、それぞれ違う商売だと感じてた。だから今よりも「イラストレーターとはこういうものだ」ということが割とわかりやすかったんですよ。僕の中学の時の印象としては、イラストはグラフィックデザインと切っても切りはなせないものでした。二つとも生活する上で身近なもので、時代的にも両者が近しかったんでしょうね。
大学へ進学する時も、イラストレーターは厳しい世界だから自分には絶対なれないと思ってた。だから武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科に入学したんですよ。舞台とか、衣装とか、あとディスプレイのデザインとかを勉強していたので、パースとかをよく描いてましたね。
み:今の作品とジャンルが違いますね!そこからイラストレーターになったんですか。
つ:そう、いま思うと、同じ学科を出た人でイラストレーターになった人は多いです。田中英樹さんや師岡とおるさんも同じ学科の後輩なんです。これはなんでしょうね?(笑)
ま:建築や空間のことを学んでから、イラストとかグラフィックに行く人もたくさんいるんですか?
つ:うん、いるいる。人生がこれからどういう方向に行くのかってなかなか予想がつかないし、何かを決めてそっちに行ってた人でも、出会いが人生を変えるから。あの誘いに乗っかってあそこに行かなかったら今の自分はないって人は多いと思いますよ。そういうことの積み重ねじゃないかな。
ま:たしかにそうかもしれないです。話題はかわりますが、先生はどんな子供だったんですか?
つ:子供の時はねぇ、おとなしくはなかったみたいですね。イタズラをよくしてました。
み:どんなイタズラですか?
つ:おもちゃのうんこを買って来て、それを道路に置いてみたりとか。
一同:(笑)
つ:そういうね、ゴムでできたおもちゃがあったんですよ!そしたら犬がものすごく反応して。これでもかってくらい臭いを嗅ぐのね。たぶん自分の予想した臭いがしなかったから、しつこくずっと嗅いでた。僕も嗅いでみたんだけど、確かに無臭でしたね。ゴムの臭いさえしなかった。
ま:他にはどんなイタズラをしましたか?
つ:あんまりここでは言えないけど・・・。菊を切ったりとか(笑)
ま:菊?!(笑)
つ:近所のお金持ちの家に、丹精込めて育てた一輪植えの菊がぶわぁっと並んでて、それを全部片っ端から(笑)
ま:え~悪質!!!
み:切ってやろう、というよりも、切ったらどうなるんだろう、と思った感じですか?
つ:うん、切ってやろう、だけではなかったと思う。繋がると思ってたのかな。でも切っても繋がらなかったから次の菊を切った(笑) この菊はダメだ、この菊はダメだ、って。小学生の頃の話ですよ!
さすがに謝りに行きました。親や親戚中にめちゃくちゃ怒られて。だからダメですよ、そんなことしちゃ!
ま:しないですけど(笑)でもわたしも、壁に絵を描いて怒られたことならあります。
つ:あ、僕もあるんだよなぁ、それ!みんな似たり寄ったりのことしてるんだね。それにしても、菊はいまだに酷いことしたと思ってます。それを背負って今も生きてます。しかも切られた菊の持ち主が僕を許してくれたんですよ。すごくないですか?その時はただ「よかった許してくれた」って思ったんだけど、ちょっと経ってから考えると、許してくれたことが衝撃で、その人の偉大さが身に染みました。単純に子供を許したというよりも、もうちょっと思想的な何かがあったんじゃないかな。「それもひとつの自然の成り行きだから」って、人生を受け止めているような。子供がやることは雨が降ったり風が吹いたりすることと同じだと思っているような悟りを感じましたね。
(後編はこちらからどうぞ)
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インタビュー後編は明日6月26日(金)に公開です。
続きをどうぞお楽しみに!
◉ 過去のインタビュー記事はこちら↓
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