舞台芸術学科

contact Gonzoの塚原先生の夏期集中授業

今回の夏季集中授業で塚原さんと行った授業は一言にまとめがたいほど学びがたくさんあった。一見contact Gonzoのパフォーマンスは血気盛んに殴り合っているような物や、急こう配な土砂崩れ跡を滑り落ちる危険な物に見られがちであるが、私にすれば日常の危機回避の行動一つをとっても、面白味のあるものに昇華できる可能性を提示してくれる作品だった。

中でも人間クライミングと銘打って、様々な格好の人間の上を移動するという取り組みがあった。これに私たちは「どんな格好でいることが辛くないか」ということを考えて当初取り組んでいたが、要領をつかんでくると「できるだけ長く乗っかってもらえるようにするには」ということを考えるようになっていった。それによって人の上を登ったり通過する際にどこに乗れば痛みが軽く済むか、あるいはどこがすごく痛いのかということを理解することができた。

また、自分たちで映像を撮影してくる取り組みがあった。その取り組みは計三回あったが、三回とも私が撮影をしたグループでは違った発見があった。

その中で最も印象的だったのは、私たちの撮影チームがcontact Gonzoの『痛がり』というパフォーマンスを真似て、学内の所々で突然うずくまって痛がるというパフォーマンスをした。男女混合で撮影したこのパフォーマンスは、まさに男女の社会に対しての見え方を浮き彫りにする結果が出た。男性がうずくまっていた所で見向きもしなかった聴衆も女性がうずくまっていれば一分もしないうちに助けにやってきたのだ。この結果に体格や佇まいだけで人は優劣を感じてしまうという塚原さんの言葉を思い出した。

 舞台ではそれをコントロールしなくてはならない、そう思うとまた舞台に対しての課題が見つかった気がした一週間だった。

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