- 2015年10月22日
- 日常風景
【特別講義レポート】『群衆論:スペクタクルとは何か』ゲスト:植島啓司先生
10月21日(水)の特別講義は、本学空間演出デザイン学科の学科長であり、宗教人類学者の植島啓司先生に「群衆論:スペクタクルとは何か」というテーマでご講義いただきました。
これからのアートは、「もの」ではなく“一回きり”な出来事の「経験」が主流となるというお話は、アートプロデュース学科で普段学んでいることに繋がるところがあり、また、1992年のアルベールビル冬季オリンピックの開会式の映像をもとにした「群衆」についての話も、日常と照らし合わせて共感する部分が多々あったようで、学生たちにとって非常に興味を掻き立てられる内容の講義でした。
■以下、学生レポートから抜粋■
・「すべては一回きりの出来事なのだ」という言葉はとても共感できた。これからのARTはいつでも感じられる・体験できるものではなく、人間の根源、地球の根源、生命の根源に基づく“一瞬”を多数の人たちで別々の視点で見て、感じ、考えることが大事なのだと思った。そしてそれを共有することで、コミュニケーションが生まれ、そうして人と繋がっていくことが“人生が豊かになる”ということだと思う。
・物質的な幸福から、精神的な幸福へ移っているという話があり、とても共感した。私たちがASPで学ぶことは、自分“だけ”の経験から自分“たち”の経験にするためのさまざまなメソッドなのだと感じた。
・芸術も考えてみれば群衆でつくり完成させるものが多くなってきたと思う。時間と出来事の共有をすることにより爆発的な印象を与え、アートをアートたらしめるのかなと思った。一つのことを群衆でやるということは夏休みにやった「ねぶた」でも同じことが言える。多くの手が一つのものをつくることにより、コミュニケーションと「熱狂的な空間」がうまれ、人々の感情を揺さぶり、形のないものが残る。「一回きり」の行動であってもそこで起こったこと、人間関係は継続する。