- 2013年6月5日
- 日常風景
日大芸術学部 清水正先生 特別講義
事務担当の岩田です。
先週末は1回生・2回生合同で特別講義を行いました。
お越しいただいたのは、日大芸術学部教授で文芸批評家の清水正先生です!
清水先生には昨年も特別講義でお越し頂いています。
京都造形芸術大学マンガ学科の初夏の風物詩になりつつあります!
そのときの様子はこちら(https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=1068)
今回はこの3作品を深ーく読み解きました。
ドストエフスキー「罪と罰」
宮沢賢治「どんぐりと山猫」
宮沢賢治「まなづるとダアリヤ」
「まなづるとダアリヤ」では登場するキャラクターを実際に演じて読み解く体験も!
個人的に、この時間を楽しみにしていました(笑)
では、講義を受けての学生の感想です。
特に心に残ったのは「罪と罰」の主人公のイニシャルの話です。
「РРР(ロシア語で「エルエルエル」)というロシア人では有り得ないものをなぜ付けたのか。
見方を変えれば666とも見ることが出来る。666とは悪魔を意味する数字だ!」
こういう発見があるのはすごいなと思いました。
マンガでよく伏線という言葉を聞きます。
あの時の言葉や出来事がこう繋がるのか!という発見です。
こういうものに出会ったときに感動します。
特に面白い、マンガの表現に使えそうだと思った内容は、
「どんぐりと山猫」の手紙のおかしさやルビの有無の話だった。
わざわざルビをふってそれに意味を持たせるという表現は初めて聞いたのでとても衝撃的だった。
普通に読んでいたら気付きそうにない意外な所にも
面白く読ませる仕掛けとして使用できることを知った。
手紙のおかしな表現と前の文章の表現に繋がりがあるとは思わなかった。
これらの技法はマンガのセリフや推理物のトリックとして使えそうだと思った。
「まなづるとダアリヤ」について。
演技を見るのは勉強になることに気付いた。
憎たらしく言えば言うほど表情も憎たらしく見えてきた。
マンガは絵の表現がほとんどでセリフはパソコンの活字が多いのが残念に思えた。
言い方に伴って表情も変わるように、マンガで同じ表現をするなら
セリフを手書きで書くほうがより広い表現ができるはず。
本日取り上げられた二人の作家は、作品の中に仕掛けを施して、
物語とは別の楽しみを作った点で共通していると思います。
ドストエフスキーはロシア語で主人公の名前に反キリストの数字を潜め、
宮沢賢治はひらがなや文体で遊んでいます。
私はシリアスが苦手で、
どうしてもどこかで遊びを取り入れたいと思っているような人間なので、
御二方は畏れ多くも見本と言っても良い方々です。
作中に仕掛けを施す点を強く見習い、私の作品にも活かせることができたらいいと考えています。
ただ講義を受けるだけではなく、
自分の作品づくりに活かそうという姿勢の学生がたくさんいました。良いことですね!
清水先生、お越し頂きありがとうございました!
☆お知らせ☆
6月16日(日)は、京都造形芸術大学体験授業オープンキャンパスが開催されます。
事前予約制となっているので、是非申し込んだ上で来てくださいね!