アートプロデュースコース

【特別講義レポート】『包摂あるいは懐柔——アウトサイダー・アートの収集と展示をめぐって』服部正さん

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2018年はじめの特別講義は、甲南大学文学部准教授の服部正さんをお招きし、「包摂あるいは懐柔——アウトサイダー・アートの収集と展示をめぐって」というテーマでご講義いただきました。

 

服部さんをゲストにお招きしたのは3回生の大石恵利花さん。論文研究のため服部さんの書籍を読んだことがきっかで、今回の講義をセッティングすることになりました。大石さんは「アールブリュットやアウトサイダー・アートという言葉をよく聞きますが、実際はどういったものなのか知らない人も多いので、服部さんのお話をきっかけに知ってもらいたいです。」と、講義の意図をお話ししてくれました。

 

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その後、服部さんは「アール・ブリュット」という言葉を生み出したジャン・デュビュッフェの紹介やデュビュッフェの思想について触れながら、アール・ブリュットの成り立ちや関連する主な作品を丁寧にご紹介していただきました。多くの人が、障がい者によってつくられる芸術をアール・ブリュットと定義しがちですが、実際は全く異なった意味から生まれている芸術なんだと知り、学生たちは驚きと「アート」への疑問を膨らませていました。

 

また、服部さんの講義を学生たちに振り返ってもらえるようにと、大石さんがぎっしりと内容をまとめてくれました!

分かりやすいように、イラストも添えてくれています。

 

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今回の講義で、更にアートの世界を広げるきっかけになった学生も多かったのではないでしょうか。

大石さんもこの学びを活かして、さらに研究が進められると良いですね。

 

服部さん、ご講義いただきありがとうございました。

 

以下、学生の感想

 

私はアウトサイダー・アートの存在すら知りませんでした。アートというものはわけられるものではないと思っていたので、その中でインサイドとアウトサイドが存在しているというのはある意味衝撃でした。

 

「アート」ということばには明確な決まりがないからこそ範囲が割と自由に変化できて、自由だからこそ不自由であってとてもややこしいなと思いました。(中略)もっと勉強したり色んなことを体験してアウトサイダーアートについてとかサブカルチャーについてとかの自分なりの定義をみつけていきたいです。

 

アール・ブリュット、アウトサイダーアートは外側のアートであり、西洋の芸術からどれだけ離れているかによって判断される、ということを聞いて、服部さんもおっしゃられていましたがとても主観的で曖昧なものだなと思いました。

 

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