文芸表現学科

詩人・小説家/多和田葉子さんから学ぶ、詩のおもしろさ

 
多和田さん04
10月25日(木)。
詩人であり小説家である多和田葉子さんをお招きし、
「多和田葉子 詩のワークショップ&朗読と講演 文学は有機交流電燈」を文芸表現学科と大学院で開催しました。
第1部では、文芸表現学科の学生に向けて「詩のワークショップ」を行っていただきましたので、
その様子をお伝えしたいと思います。
 
 

学生
 

日本内外で数々の賞を受賞し、異国の地・ドイツで執筆されている多和田さんの視点を、
直に知ることができるとあって、詩の授業「創作ワークショップⅣ/創作Ⅰ」の受講生以外にも、
1〜4年生の意欲的な学生たちが参加してくれました。
 
 
多和田さん03
この日までに学生たちには、「外来語」をテーマにした詩を書いてきてもらいました。
テーマから連想した言葉のなかで「金平糖(こんぺいとう)」という言葉が多く登場したのですが、
食べる音に着目したり、素材として掘り下げ、さらに連想していく学生など、
「1人1人の違いがみれてよかった」と、多和田さんにも楽しんでいただけたようです。
 
他にも、外来語の意味や空気感や成り立ちなど、感覚的ものから発想した作品など、
多種多様な作品が集まり、とても活発に意見が交わされていました。
 

「タイミングをずらして読んでみて」と、多和田さんのリクエストで、金平糖を食べる音を作品にした詩を朗読する学生たち。

「タイミングをずらして読んでみて」と、多和田さんのリクエストで、金平糖を食べる音を作品にした詩を朗読する学生たち。


 
 
 
多和田さん02
1つ1つの作品を丁寧に読み解いてくださった多和田さん。
詩の面白いところは「作者が思っていた以上の意味が、読者によって作品に加えられること」だそう。
 
実際に、ワークショップでの合評では、多和田さんの質問や感想によって、
学生たちは「どうしたら、よりおもしろく読めるだろう」と感じられる意見の交換を行っており、
1人きりで読んだとき以上の意味を、各々の作品のなかに見つけられたのではないかと思います。
 
 
 
 
多和田さん07
授業の最後に、「創作ワークショップⅣ/創作Ⅰ」を担当してくださっている君野先生から、
「詩を書くことで得られる効用はなんでしょう」との質問がありました。
 
その質問を受け、
理屈の言語では見えないものが観え、感覚と世界を結びつけることができることや、
ドイツの詩人・ゲーテが自分で書いた詩を毎日朗読していたので、
肌にシワがなかったと言われることから、若さを保つことに効く、とお答えくださいました。
 
 
「他のものは全部やめて、コレ(詩)だけやってればいい」くらい素晴らしいもの。
 
 
時間にすると2時間弱という短い交流でしたが、とても濃密な時間のなかで、
そのことを多和田さんはお教えくださいました。
 
学生たちにとって、今回みんなで交換し合った詩のおもしろさが、
新しい作品や言葉、交流を生むきっかけになってくれればなと思います。
 
 
 
(スタッフ・大賀)
 
 
 
 
 

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