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和の伝統文化コース 山田 恵

「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」の書は、本阿弥光悦の手によるもので、和歌の選定も光悦が行っている。これに関して、美術史家の河野元昭氏は、光悦独自の選定の特徴を指摘しているが、具体的な言及はない。そこで、本研究において、具体的な和歌の選定基準を考察したいと考えた。
 まず、文献や先行研究を通して、光悦の人物像についての分析を行ったが、自分の想像以上に多才かつ人格者であったことがわかり、まさしく琳派の創始者に相応しい人物であると再認識させられた。そして、和歌の引用元や内容から分析した結果、次のような和歌の選定基準を考察するに至った。それは、和歌の世界の重要人物の意見を尊重し、容易に歌意を想像出来る和歌は避け、風流や想像力をかき立てる和歌を選ぶということである。また人物像からは、古今伝授の重視、宗教的倫理観に基づいていること、天皇や宮中に対する畏敬の念が選定基準になっていることを考察した。
 本研究では、和歌のみに着目したが、光悦が才能を発揮した他の分野も調査していけば、また違った観点が出てくると認識をしている。今後、研究対象を広げてみたいと考えている。


琳派と和歌の関わりに関する一考察 ー鶴下絵三十六歌仙和歌巻を通してー

兵庫県

山田 恵

和の伝統文化コース

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