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(大学院)写真・映像領域 江尻 典正(norimasa ejiri)

『手で見る、手で聴く ⇄ 目でさわる、耳でさわる』

11分00秒


土の塊とピクセルの塊を往還する、関係性の連鎖を構築することで、彫刻と写真が一体化した表現を創り出す。

私は彫刻の立体的な制作を通して、手は見る・手は聴く・手は発話することを実感している。それは触覚的な立体把握に基づく体験の結合であり、奥行きや陰影によって視覚的に三次元を暗示・彷彿させるものではない。物質(土)を介して形を弄った手の経験が確かであれば、非物質(ピクセル)であっても、触覚的に形を捉えることができるのではなかろうか。私はこの問いに応えるべく、非物質のイメージを物質に複写したうえで彫刻するのではなく、非物質のイメージのままに彫刻することを制作研究の起点としている。

私の制作の大きな特徴は、物質から非物質へと形を弄ったことによって多層化した手の経験を、再び物質へとフィードバックさせることである。触覚を中心に据えたフィードバック循環の多層化により、目に見えない本質を捉える手の感覚を取り戻していくことを、私は発見した。本作品は、デジタル写真を用いて、人間が手で何かを作らざるを得ない根源的な情動に迫ることで、自らの手の経験に創造の種があることに気づく、一つの道筋を示すものである。

http://www.instagram.com/norimasaejiri

江尻 典正(norimasa ejiri)

(大学院)写真・映像領域

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