和の伝統文化コース 藤田 惠子
「きもの」は装いながらデザイン化していく世界でも特異な衣類である。一反の反物を全て直線断ちにし、ほぼ直線縫いで仕上げ、何回も解いては洗い、染め直し、仕立てることが可能な世界一エコな衣類だと思っている。この直線断ちの「きもの」を身につけるためには、右を先にあわせ、結び止める和装小物が必要である。日本人は古代から「結び」に対する精神的なものを含めた民族性を持ち、1000年以上も結ぶ紐で着装してきている。しかし昭和の戦後から急激にゴム素材が普及し、紐の役割に代わり着装技術を助け、簡単な便利品として団塊世代や着物業界に役立てたのである。しかし、その後のきもの着用者から、「きもの」は苦しいとの感想を多く耳にし、また生活環境も影響し日本人から着物離れがおきたのである。そこでゴムの性質は、引っ張ると緩むが、時間が経つと締まるのではないかと考え、天然素材の紐を使用した結びの文化の着付け講座を行ない、周りにも勧めてきたのである。しかしそれを検証する必要を感じて、実験を含めて論文に取り組み検証した結果、「論より証拠」とすることができ、半世紀もの間の「問い」に「答え」を出せたと安堵している。
鹿児島県
和装小物の素材と着装の関係
ー紐とゴムの功罪ー
藤田 惠子
和の伝統文化コース
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