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(大学院)空間デザイン分野 夏目 文絵

聞こえない世界のコミュニケーションがもたらす UX デザイン
~”筆談カフェ”の実践を通じて~

「桐林館喫茶室【筆談カフェ】」(以下、筆談カフェ)は2020年にスタートした体験型カフェである。一般的なカフェとの違いは“音声オフ”をルールとし、筆談、手話、ジェスチャーなど音声以外の方法で会話を楽しむことである。約4年半の取り組みで、利用者が会話を残したノート「筆談ログ」は100冊を超えた。その内容は、恋愛や仕事の悩み相談、絵しりとりなど多岐にわたる。筆談カフェを運営する法人は、ミッションとして「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)をなくし、誰もが生きやすくなる」と掲げている。聞こえる人と聞こえない人がフラットに交わるための条件として、音声オフとし、「会話は音声が当たり前」という無意識の偏見に気づくきっかけを提供している。また、聴覚障害当事者にとっては、コミュニケーションの弊害が少ない、心理的安全性が保たれた日常の空間でもある。利用者の多くは肯定的な反応であり、感覚的に“良さそうな空間”として認知されつつあるが、その体験価値について明確な根拠は示されていない。本研究では、筆談カフェでの体験がもたらす効果について検証し、持続的な音声オフの空間デザインを目指した。

夏目 文絵

(大学院)空間デザイン分野

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