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平均展

−うつりゆく平均のカタチ−

(大学院)グラフィックデザイン分野 萩谷 俊之・畠山 学・榎本 来実 (べきラボ)

領域奨励賞

|「普通」でなければ、いけないのでしょうか?

私たちは無意識のうちに、「平均」という言葉に安心感を求めていないでしょうか。 身長、体重、年収、そして偏差値。「平均より上か、下か」で一喜一憂し、そこから外れることを恐れる心理。それは、子どもを持つ親の心に少なからずある葛藤なのかもしれません。「個性は大切」だと頭では分かっていても、我が子にはつい「普通であってほしい」と願ってしまう——。

本展は、そんな私たちの心の奥にある「平均という名の信仰」を揺さぶり、解きほぐすための体験型展示の提案です。


| 平均は「目指すべきゴール」ではない

本展が提示するコンセプトは、《「 平均」という虚構を可視化し、個性を見つめ直す》ことです。 かつての常識が今の非常識になるように、平均もまた、歴史や環境によって絶えず変化し続ける「過去の記録」でしかありません。


| 平均を解体する3つのプロセス

本展では、言葉による説得ではなく、身体的な体験を通じて3段階の意識変容を促します。

同化と違和感: 自分の顔や行動が平均に含まれるかを確認する体験を通じ、無意識に「平均」に安心してしまう自分自身と、そこに合わせる窮屈さを自覚します。

基準の崩壊: 時代による常識の変化や、生物学的な生存戦略(働きアリの法則など)を目の当たりにし、信じていた「正しさ」が環境次第で変わる事実を体感します。

個性の肯定: 最終的に、平均とは「誰かが決めた枠」ではなく、「個人の選択の結果として事後的に現れる現象」であることを理解します。


| 未来をつくる「多様性」のために

大人が無意識に抱える「安心バイアス」を解除し、「普通」を求めようとする関わり方から、子どもたちの多様なあり方を肯定する関わり方へ。 大人の行動変容を導き出し、次世代が生きやすい土壌をつくるためのきっかけづくりの場が「平均展」です。

萩谷 俊之・畠山 学・榎本 来実 べきラボ

(大学院)グラフィックデザイン分野

チーム「べきラボ」
べきラボは、私たち自身や身近な人々の実体験を出発点に、社会にひそむ「〜すべき」という無意識の価値観を探り、その“べき”をアップデートするためのチームです。 世の中にはびこる“当たり前”に問いを投げかけながら、言葉やメディアを通じて新たな選択肢をひらくデザインを目指しています。

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