花呪紋
文芸コース 藤野幸子 (藤雪花)
大国ロシアがウクライナへ戦争をはじめ、イスラエルとガザの紛争。古くはヨーロッパ諸国の新大陸時発見後の民族文化の侵略。アジア大陸の東の端の日本も、元寇、ペルー来航など『海の向こう』から文化や宗教が流れ込み、時に暴力をともなう侵略の脅威にさらされ、激変することを余儀なくされてきた。
魏志倭人伝に倭の国が記載されるよりもはるか昔、殷の時代に、日の国にいずれ海から来る脅威の兆しを予言し、その脅威を阻止するために大海を越える冒険の旅にでた者たちがいて、殷の王に朝貢を果たしていたら面白いのではないか。しかも、名代は女で、殷国の後宮にまで入っていたら。
そのような発想で歴史ロマンファンタジーを書くことにした。
このような冒険にでたのはどんな者たちなのだろう。
彼らは、生まれた土地や身分、生業に生きづらさを感じていたり、身近な存在と比較され続けたり、社会からもう不要であると自他共に思いながらも、それでももっと『何か』をできるのではないかと思い、もっとあるがままに生きたいと強く願う者たちではないか。
己のなしたことの結果をみることができない片道の冒険を通して、彼らは信念を強固にし、その世界観は激変するに違いない。
この作品は、今の時代、何か生きづらさを感じる者たちに向けた作者からのエールでもある。
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