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The self

(大学院)写真・映像領域 伊藤 千夏

身体から切り取られ、抜け落ち、排出されたものを被写体とした写真作品。恐怖やおぞましさを根源的に持ち合わせるアブジェクトな被写体を、「生成」「再生」「祈り」の側面を感化させる試みである。

*研究論文では、クリステヴァのアブジェクシオン理論を基盤に、<身体から排出される被写体は、人間の営みを「生」として証明する実在の表象でありながらも、想像を超えるスピリチュアルな美の表現を可能とする内在性を帯びる>という仮説を立て、身体と聖性、美の関係について先行作品(Andres Serrano 1950- )《Piss Christ 》、石内都( 1947- )《ひろしま》《Mother’ s 》、Ana Mendieta, 1948 – 1985《Silueta 》)を中心に、写真表象による考察を行った。身体の排出物と再生をめぐる写真・映像表現において「祈りの生成」として再解釈を試みている。アブジェクシオンは単なる穢れの表象ではなく、死と再生、他者と自己、自然と身体を循環させる生成力は、身体の根底に流れるものとして、祈りと受容の美を開示し、写真の表象による「生」の根源的証明に迫る新たな視点を明示した。

伊藤 千夏

(大学院)写真・映像領域

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