和の伝統文化コース 長嶋 一乃
箱根の美術館で開催されていた盆栽イベントをきっかけに、盆栽教室に通うようになった。現在では玄関先に、小さな盆栽を15鉢ほど置き日々の手入れを続けている。海外では「BONSAI」として人気があるいっぽう、実際には周りで盆栽を嗜む人は少なく、退職後の老人趣味のようにイメージされる。こうした現実、不満などが「盆栽」を研究テーマにした理由である。
盆栽は「矛盾した美を持つ芸術品」だと考える。薄く小さな鉢を使い、樹を大きく育てる点。植物の「自然さ」を求めながら、「型」にあわせ針金などで加工する点。芸術品でありながら、成長を続け完結性を持たない点。という矛盾がある。このへそ曲がり的な点が作用し、独自の芸術性となり、少ない趣味人口ながら自由に変容し、現在に継承されてきたと考える。
また盆栽は、過去の姿を思い出し、現在の姿を眺め、将来の姿を想像するものである。変容する時間も楽しむ芸術品であり、圧倒的な生命力、芸術性がある点が、盆栽の最大の魅力だといえる。
茶道や華道とは違った、成り立ちや継承方法、芸術性について考察をした時間は、盆栽の良さを再発見する時間となった。盆栽のイメージが少しでも変わることに期待したい。
伝統文化である盆栽と、茶道・華道との違い ―成り立ち、継承方法、発展について―
埼玉県
長嶋 一乃
和の伝統文化コース
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