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芸術学コース 鈴木 雅幸

 江戸琳派の掉尾を飾る画人・鈴木其一(1796〜1858)が、大胆な構図と不可思議な超現実感を帯びた《夏秋渓流図屏風》をなぜ描いたのか。屏風成立の歴史的・社会的背景や狙いを其一を取り巻く人間関係も踏まえて多角的に論考しました。特徴ある画面構成や6つの主要素からの考察だけではなく、先行研究では踏み込ていない「画趣・画風」に思索を巡らし、注文主である江戸・日本橋の蝋油問屋・大坂屋松澤家が屏風に託した願いについても論述を試みました。私はこの屏風を、1920年代に生まれ日本にも広まった芸術運動「シュルレアリスム(超現実主義)」の祖型的な作品とも位置付けられると考えています。西洋絵画からの影響だけではなく江戸の日本人にも通底していたであろう「人間精神の解放と自由」という視点も吸収しながら記述しました。


神奈川県

鈴木其一筆《夏秋渓流図屏風》ー超現実感に込めた「祈念の屏風」に迫るー

鈴木 雅幸

芸術学コース

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